著作権法
著作者
著作物(文芸、学術、美術、音楽などの創作的な表現)を創作した人を指し、著作権法で定められています(著作権法第2条第1項第2号)。
小説家、漫画家、作詞家・作曲家、画家、写真家などが該当。
著作権(財産権)と著作者人格権(人格権)を原始的に取得します。
著作者の推定
著作権法第14条により、著作物の原作品や公衆への提供・提示の際に、氏名(実名や雅号・筆名などの「変名」を含む)が通常の方法で表示されている場合、その表示された者が著作者であると推定されます。
反証がなければこの推定が覆ることはありません。
外国人著作者
日本で著作権(著作者人格権を含む)の保護を受けるために、日本国内に住所または居所を有することは必要ではありません 。
これは主に、日本が加盟している以下の国際条約に基づいています 。
・ベルヌ条約: 日本を含む多くの国が加盟しており、加盟国の国民は、他の加盟国においてもその国の国民と同様の保護(内国民待遇)を受けられます 。
・万国著作権条約: こちらも同様の原則を提供しています 。
・TRIPS協定(世界貿易機関を設立する協定): 知的財産権の貿易関連の側面を扱っており、内国民待遇の原則が含まれています 。
これらの条約により、加盟国の国民であれば、原則として日本国民と同じ条件で日本の著作権法による保護が受けられます。
著作権法によって保護を受ける著作物
次のいずれかに該当するものです(第6条)。
【国籍条件】日本国民が創作した著作物
【発行地条件】最初に日本国内で発行(相当数のコピーが頒布)された著作物(外国で最初に発行されたが発行後30日以内に国内で発行されたものを含む)
【条約の条件】条約により我が国が保護の義務を負う著作物
著作物
著作権法において「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義されています。
憲法・法律・条約などの法令、国や地方公共団体などが発する告示・訓令・通達などの公文書、裁判所の判決・決定・審判など、そして単なる事実やデータ、アイデアそのもの、ありふれた表現などは対象となりません。
これらは国民の権利義務に関わるものや、思想・感情の創作的表現に当たらないものとして、著作権法第13条などで保護の対象から外されています
著作物の分類
10条で以下に分類されています。
| 言語の著作物 | 論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など |
|---|---|
| 音楽の著作物 | 曲など |
| 舞踊、無言劇の著作物 | 舞踊、ダンスなどの舞踊や無言劇(パントマイムとか手話劇)の振り付けなど |
| 美術の著作物 | 絵画、彫刻、漫画、書、工芸品、舞台装置など |
| 建築の著作物 | 芸術的な建造物(設計図は図形の著作物)など |
| 地図、図形の著作物 | 地図と学術的な図面、図表、模型など |
| 映画の著作物 | 劇場用映画、ドラマ、ネット配信動画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトなど |
| 写真の著作物 | 写真など |
| プログラムの著作物 | プログラムなど |
*ゲームソフトは一度購入すると権利が消尽します。
*プログラムは「プログラムの著作物」として著作権法で保護されますが、ソースコードの表現自体が対象であり、アイデアやアルゴリズム、プログラム言語そのものは保護されません。
以下は11条、12条の著作物の追加説明
| 二次的著作物 | 上表の著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案(映画化など)して創作したもの |
|---|---|
| 編集著作物 | 百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集など、複数の素材からなり、素材の選択又は配列に創作性があるもの |
| データベースの著作物 | 編集著作物のうち、コンピュータで検索できるもの |
*二次著作物の利用は、一次・二次の双方の著作権者の許可が必要。
二次著作において、原著作者の氏名表示権(著作権法19条)により、二次的著作物の利用時(映画化、翻訳など)には、原著作物の作者名も表示する義務があり、原作作者のクレジットを記載する必要があります。
*編集著作物とDB著作物は、構成要素の素材自体は著作物である必要はありません。
データベースが「情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するもの」である場合には、著作権法の保護を受けます(著作権法12条の2)。
編集著作物を利用する場合、編集著作物の著作権者だけでなく、素材として使われている個々の著作物の著作権者からも許諾を得る必要があります(著作権法第30条第1項)。
*マンガやアニメのキャラクターは著作物に該当しませんが、絵自体は著作物。
*キャッチフレーズやスローガン、法令などは著作物に該当しません。
著作権と著作者人格権
著作物を創作するものには、著作権と著作者人格権が発生します。
映画の著作物の著作権者は全体的形成に創作的に寄与したものが著作者となります。
譲渡と消失など
著作権は、全部、あるいは一部を登録不要で譲渡可能。
*文化庁へ登録することで第三者への対抗ができます。
利用許諾はできるが、専用実施権の設定はできません。
死亡(法人の場合は解散)により消滅します。
また、放棄が可能。
著作者人格権は、著作者だけが持つことができる権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません。
契約で「行使しない(不行使特約)」ことを約束することは可能で、放棄も可能。
死亡により消滅します。
著作権譲渡と二次著作では、「翻訳権・翻案権(法27条)」と「二次的著作物の利用権(法28条)」が重要で、これらは「特掲(明記)」しない限り、譲渡した人に留保されたと推定される。
譲渡契約書に「法27条・28条を含む」と明記しないと、二次創作に関する権利は移転しません。
著作権の質権
著作権(財産権部分)を担保にしてお金を借りる際、債権者にその権利を差し出す仕組みで、債務不履行時には債権者が質物(著作権)から優先弁済を受けられる権利です。
一般的な質権と異なり、質権設定後も著作権者は引き続き著作権を行使できるのが大きな特徴で、文化庁への登録(プログラムはSOFTIC)が第三者への対抗要件となります。
共同著作物の著作権
存続期間は最終に死亡した著作者の死後70年経過するまでの間。
他の共有者の同意を得なければ以下のことができません。
・持ち分を譲渡できません。
・自ら利用することができません。
・他人への使用を許諾することができません
共同著作物の著作者は、その中から著作者人格権を代表して行使する者を定めることができます(著作権法64条1項)。
代表者を定めた場合、その選定や解任については、文化庁の登録制度などを通じて公示することも可能です
損害の拡大を防止するため、個々の共有者は他の共有者の同意なしに単独で差止請求を行うことができる、という解釈があります(著作権法第117条の趣旨)。
著作権の種類
著作権は実際には、支分権と呼ばれる権利の集合によってなされています。
主な支分権は、以下の通りです。
著作権の支分権と著作物の種類は密接に関係しています。
なお、それらしいものであっても、支分権ではないものもありますので注意が必要です。
*商品化権や出版権など。
複製権 → 登録不要で出版権の設定が可能(設定後はその範囲での複製不可)
上演権・演奏権
上映権 映画特有ではなく全ての著作物(小説、音楽、美術など)に認められる
公衆送信権・公の伝達権 → 登録不要で出版権の設定が可能
口述権 言語のみが対象
展示権 美術・未発行写真の原作品のみが対象
頒布権 映画のみが対象
譲渡権 映画の著作物を除く、音楽、小説、漫画、プログラムなどの原作品や複製物
貸与権 映画以外の複製物(映画は頒布権)
翻訳権・翻案権など
二次的著作物の利用権
複製権
著作者が自分の著作物をコピー、印刷、録音、録画するなどして有形的に再製する権利(複製する権利)を独占する権利を指します。
これは「コピーライト(Copyright)」という言葉が示す通り、著作権の中心的な権利であり、著作者の許諾なく他者が無断で複製することは原則として禁止されていますが、私的使用の範囲内であれば例外的に認められます
口述権
小説や詩などの言語の著作物を、著作者の許可なく公衆に口頭で伝達(朗読や講演、録音再生など)する行為をコントロールできる権利(著作権法第24条)。
これは「上演」とは区別され、原則として著作者が独占する権利です
例外(制限): 営利目的でなく、聴衆から料金を受けず、報酬も支払われない場合は、許諾なしで口述できる
ネットでの朗読配信は口述権ではなく「公衆送信権」の対象。
翻案権
翻訳、編曲、変形、脚色、映画化など、もともとの著作物の特徴を活かしながら、別の著作物(二次的著作物)を創作できる権利
プログラムの著作物の複製物の所有者は,著作権者の許諾を得なくても,第三者が電子計算機で当該プログラムの著作物を利用するために必要と認められる限度において翻案することができる。
展示権
著作者が美術の著作物や未発行の写真の原作品を「公衆」に「直接」見せる(展示する)ことをコントロールできる権利(著作権法第25条)
出版権
著作権者(複製権または公衆送信権を有するもの)が特定の出版社(出版権者)に対し、著作物を独占的に出版(複製・頒布)する権利を付与するもので、著作者の承諾に基づいて設定され、出版社は原則6ヶ月以内の出版義務や継続出版義務を負います。
著作権法第83条第1項は、「出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる」と定めています。
著作権法第83条第2項により、出版権は「その設定から三年を経過したときは、著作者は、いつでも出版権者に六月以上の予告期間を設けて、その出版権の消滅を請求することができる」とされています。
出版権は著作権そのものではなく、著作権から派生する権利で、紙の本だけでなく電子書籍にも対応(2014年改正以降)しており、権利を第三者に対抗するには登録が必要ですが、実際は利用許諾契約(印税契約)が主流です。
支分権ではありません
出版権が設定された場合、原則として、著作権者自身であっても自由に複製を行うことはできません
ライセンス
許可や許諾といった意味をもち、ライセンスビジネスにおいては版権(著作権)と商品化権の2つを指します。
版権は著作物の複製や販売に関する権利で、商品化権は商品の販売や販促活動を目的とし、特定のキャラクターやブランドを利用する権利です
商品化権は、著作権と密接な関係はありますが支分権ではありません。
著作権自体を譲渡する場合は権利が完全に移転しますが、利用許諾(ライセンス)は著作権は著作者に残しつつ、その利用を許可するものです
著作者人格権の種類
公表権
氏名表示権
同一性保持権
公表権
著作者が自分のまだ公表していない著作物について、「公表するかしないか」「いつ」「どのような方法で」公表するかを自分で決定できる権利(著作権法第18条)
氏名表示権
自分の実名またはペンネーム(変名)を表示するか、あるいは著作者名を表示しないかを決定する権利(「表示しないこととする権利」)を持っています。(著作権法第19条)
主に実演家に認められた権利
同一性保持権
同一性保持権は、著作者の人格的利益を保護するための制度です。(翻案権は著作権者の財産的利益を保護するための制度。)
著作者人格権の一種であり、著作物及びそのタイトルにつき著作者(著作権者ではないことに注意)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止することができる権利のこと。(著作権法第20条)
著作権の制限規定
一定の条件下で、著作権者の許諾を得ずに著作物を利用することができる。
・私的利用:個人的、あるいは家庭内で使用することを目的として複製。
・引用:公表された著作物は目的が正当な範囲であれば引用可能。
・教育機関における利用
・付随対象著作物の利用(写り込みなど)
・プログラムの著作物等の利用
・図書館等における利用
個人的な使用目的の例外
著作権者の許諾を得ずにコピープロテクション(技術的保護手段)を解除して複製する行為は、個人的な使用目的であっても著作権法で認められておらず、違法となります(著作権法第30条第1項第2号)。
引用
著作権法第32条の「引用」の要件(公正な慣行に合致し、報道・批評・研究などの目的で正当な範囲内)を満たせば、著作権者の許諾なく引用・利用(複製や上映など)が可能です。
ただし、出所の明示義務(著作権法第48条)があり、これら要件を満たさない場合は著作権侵害となるため、注意が必要です。
引用が適法となるための主な要件
・公表された著作物であること
・公正な慣行に合致すること
・引用の目的上正当な範囲内であること(引用の必要性、主従関係、量と範囲、改変の禁止)
・出典の明示(出所明示)。
「上演・演奏・上映」の制限
営利目的でなく、かつ観客から料金を取らない場合に、公表された著作物を無許諾で公に上演・演奏・上映・口述できるという例外規定(著作権法第38条第1項)を指し、学校の文化祭や公民館での上映会などで適用されますが、実演家への報酬支払いがある場合や「公衆送信(配信)」には適用されず、オンライン投稿は別途許諾が必要です。
職務著作
職務著作に該当する著作物の場合、法人(会社など)が著作者となり、著作権(財産権)だけでなく著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権など)も法人に帰属します(著作権法第15条)。
これは、著作権法が創作者主義(自然人が著作者)の原則に対する例外として定めています
職務著作の成立要件
①会社の発意に基づく
②職務上の作成
③自社名義での公表(プログラム除く)
④特別な契約等の定めがないこと
相当の利益
著作権法上、職務著作は原則として法人(使用者)に著作権が帰属しますが、権利を会社に移転する際には「相当の利益」の付与が義務付けられます(特許法35条4項の考え方が準用される、または関連する義務として)。
会社が職務発明(職務著作も含む)の権利を取得した際、発明者(従業員)に支払うべき「金銭その他の経済上の利益」を指します。
これは、金銭(報奨金、ストックオプションなど)に限らず、昇給・昇進、会社負担での留学・研修、有給休暇の追加付与など、経済的価値があり、発明と関連性があるものが該当し、使用者は柔軟なインセンティブを講じることが求められます
著作隣接権
著作隣接権は、 著作物を公衆に伝達する役割を担う者に与えられる権利です。
著作権とは別に著作隣接権が認められています。
著作隣接権が認められるのは、実演家(指揮・演出者含む)・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者などです。
細かい権利は、それぞれ違います。
実演家の権利著作隣接権(実演家の氏名表示権・同一性保持権以外)は、著作権と同様に契約により他人に譲渡可能です。
ただし、実演家人格権(氏名表示権・同一性保持権)は譲渡・相続できず、実演家本人が生きている限り存続します
実演家人格権
氏名表示権
同一性保持権(実演家人格権)
*実演家は公表権を有さない
著作隣接権
録音権・録画権
放送権・有線放送権
送信可能化権
譲渡権(一旦許諾を得て譲渡された実演の録音物又は録画物の、その後の譲渡には、譲渡権が及ばない。)
貸与権(最初に商業用レコートが販売された日から1年に限られる。)
二次使用料を受ける権利
貸レコードについて報酬を受ける権利(販売された日から1 年を経過した後に貸与された場合に、貸レコード業者から報酬を受けることができる権利)
録音権・録画権でのワンチャンス主義
実演家が自身の実演の利用を許諾する権利については「その実演が最初に利用される時に限って」認める。
二次的利用への許諾については、最初に録音・録画を許諾する時に取り決める必要があるため、この原則を『ワンチャンス主義』と呼びます。
「録音権・録画権のワンチャンス主義」というと、録音・録画がワンチャンスと聞こえるが、実際は二次的利用の許諾についてのもの。
レコード製作者の権利
レコード製作者はレコードに最初に音を固定した者をいう。
送信可能化権
譲渡権(一旦許諾を得て譲渡されたレコードの、その後の譲渡には、譲渡権が及ばない。)
貸与権(最初に商業用レコードが販売された日から1 年に限られる。)
二次使用料を受ける権利
貸レコードについて報酬を受ける権利(販売された日から1年を経過した後に貸与された場合に、貸レコード業者から報酬を受けることができる権利)
放送事業者及び有線放送事業者の権利
再放送権・有線放送権、放送権・再有線放送権
送信可能化権
テレビジョン放送の伝達権、有線テレビジョン放送の伝達権
譲渡権の消尽
著作権・著作隣接権の保護期間
著作権保護期間は、原則として「著作者の死後70年まで」です。
これは2018年のTPP11協定発効に伴う法改正で延長されました。
計算は死亡・公表・創作の翌年1月1日から起算されます
実演 その実演を行ったときの翌年から70年
レコード その音を最初に固定した時点で開始し、レコード発行日の翌年から70年(例外あり)
放送、有線放送 その放送を行ったときの翌年から50年
*戦時加算はあるが、国によって異なる
著作権の侵害
侵害しているものだけでなく、侵害する恐れのある人にも差止請求権を行使できる。
著作権侵害に対する刑事罰(懲役や罰金)が科されるのは原則として故意の場合のみで、過失による侵害は刑事罰の対象にはならず、民事上の損害賠償責任が発生するにとどまります。
著作権法には過失の推定規定はありません(商標権などとは異なり)ので、著作権者は損害賠償請求のために侵害者(被告)の故意または過失を立証する必要がありますが、損害額の算定を容易にするための「損害額の推定規定(著作権法114条)」は存在します
「対価を得る目的」または「権利者の利益を不当に害する目的」がある場合に、有償で流通している著作物の公衆送信(インターネット配信など)や公衆譲渡(DVDの販売など)の複製・譲渡・公衆送信などが非親告罪となります。無償の著作物や、営利目的ではない複製・頒布は、原則親告罪です
財産的損害だけでなく、精神的損害についても慰謝料を請求することができる。
遺族は著作者の死後も、生前なら人格権侵害となる行為(無断公開、内容改変など)を防ぐため、差止請求などの権利を行使できます(著作権法60条、116条)。
遺族の範囲は配偶者・子・父母など特定され、遺言で指定することも可能ですが、期間制限があり、原則は死亡の翌年から50年(一部遺族は70年)
著作権法上、国内で頒布する目的で、輸入時に国内で作成されたとすれば著作権侵害となる物を輸入する行為は、著作権侵害行為とみなされます(著作権法第113条第1項第1号)。
これは「みなし侵害行為」と呼ばれ、権利者は差止請求や損害賠償請求などの措置を取ることができ、輸入した者は通常の侵害行為と同様の法的責任を負うことになります。
著作権侵害が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります
・依拠性: 既存の著作物に基づいて創作されたこと。つまり、他人の作品を知っていて、それを真似たり参考にしたりして作ったという事実が必要です。
・類似性: 既存の著作物と表現が類似していること。
純粋に「偶然」同じ内容になった場合、上記の「依拠性」がないため、著作権侵害は成立しません
2020年の著作権法改正により、「付随対象著作物」(写り込みなど)の利用は、写真・録画だけでなく録音も含め、公衆送信やインターネット配信など、方法を問わず「複製伝達行為」全般に拡大されました。
要件は、著作権者の利益を不当に害さない範囲であることと、「写り込み」であること(写真・録画・録音の際に、意図せず他者の著作物が取り込まれた状態)です
法人の従業員が業務に関して著作権を侵害した場合、行為者本人(従業員)が罰せられるだけでなく、法人自体にも「両罰規定」により3億円以下の罰金刑が科されることがあります(著作権法第124条)。
これは、法人の代表者や従業員が行った侵害行為について、法人にも責任を負わせるための規定です。
映画の著作物
動画であれば直ちに映画の著作物になるわけではなく、一般の著作物と同様に著作物であるためには表現の創作性が要求される。
映画の著作物として保護されるためには、物への固定が必要である。したがって、テレビの生放送は、放送と同時に録画されていなければ映画の著作物には該当しない。
映画の著作者
「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」に著作者が限定され(16条本文)、著作者人格権はそのような者にのみ帰属する。
具体的には映画監督等が著作者になる。
形式的に監督となっているだけでは著作者とは言えず、創作面において実質的に製作過程を統括することが必要であり、「全体的形成に創作的に寄与」という要件が重要である。
映画が職務著作(15条1項)である場合は、映画製作者(2条1項10号)である法人などが著作者。
映画の著作権
創作と同時に著作者に原始的に帰属するのが原則である(17条1項)。
「その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物に参加することを約束しているときは、当該映画製作者」に著作権が帰属する。
映画製作者とは、「映画の著作物の製作に発意と責任を有する者」をいい(2条1項10号)、映画製作のために経済的リスクを負担する者を指す。
原則として公表後70年(創作後70年以内に公表されなかった場合は創作後70年)を経過するまでの間存続します(著作権法第54条第1項)。
演劇用の著作物
脚本のような「演劇用の著作物」は、上演や放送・有線放送されたものを録音・録画する行為も、著作権法上の「複製」に含まれるとされています。
これは、単なる印刷物としての複製とは異なり、上演や放送を「有形的に再製」することを具体的に保護するために「複製」の概念が拡大解釈されている(または条文で明示されている)特別なケースです。
プログラムの著作物
同一構内(LAN内など)での電気通信設備を通じた送信も公衆送信に該当し、公衆送信権(著作権法第23条)の対象となりますが、これはプログラム特有の例外であり、他の著作物(音楽、写真など)では原則として公衆送信には当たりません(著作権法第2条1項7号の2但し書き)。
