法令

2026年1月24日

目次

放射線取扱主任者試験に関する法律

①原子力基本法
原子力の研究、開発および利用の基本方針を定めています(昭和30年法律第186号)。
②放射性同位元素等規制法
一般的に放射性同位元素規制法と呼ばれます(昭和32年法律第167号。以下“放射性同位元素規制法"または“法"と略します)。
③放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則
(昭和35年総理府令第56号。以下“則"と略します)
④放射性同位元素等の規制に関する法律施行令
(昭和35年政令第259号。以下“令"と略します)
⑤核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令
(昭和32年政令第325号)
⑥放射線を放出する同位元素の数量等を定める件
(平成12年科学技術庁告示第5号。以下“告示"と略します)

法の目的

原子力基本法

この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに
寄与することを目的とする。(法 第一条)
原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。
2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。(法 第二条)

放射性同位元素等規制法

この法律は、原子力基本法の精神にのつとり、放射性同位元素の使用、販売、賃貸、廃棄その他の取扱い、放射線発生装置の使用及び放射性同位元素又は放射線発生装置から発生した放射線によつて汚染された物(以下「放射性汚染物」という。)の廃棄その他の取扱いを規制することにより、これらによる放射線障害を防止し、及び特定放射性同位元素を防護して、公共の安全を確保することを目的とする。(法 第一条)

用語の定義

原子力基本法および放射性同位元素等規制法で使われる用語

次の用語は原子力基本法および放射性同位元素等規制法で使われます。

放射線(原子力基本法第三条第五号)

電磁波または粒子線のうち、直接的または間接的に空気を電離するもので、次のものがあります。
・α線、陽子線、重陽子線その他の重荷電粒子線およびβ線
・中性子線
・γ線および特性X線(軌道電子捕獲に伴って発生する特性X線に限る)
・1メガ電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線およびX線(医療用など1メガ電子ボルト未満の各種X線撮影装置などは対象外)

放射性同位元素

リン32、コバルト60など放射線を放出する同位元素およびその化合物ならびにこれらの合有物(機器に装備されているものを含む)で、政令で定めるものをいいます。
政令では、同位元素の種類ごとに下限数量と下限濃度を定め、それを超えるものと定めています。
ただし、医薬品などは除きます。

特定放射性同位元素

放射性同位元素であって、その放射線が発散された場合において、人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるものをいいます。

放射性同位元素装備機器

硫黄計その他の放射性同位元素を装備している機器をいいます。

放射線発生装置

荷電粒子の加速により放射線を発生させる装置で、8種類の装置をいいます。
ただし、装置表面から10cmの位置で、最大線量当量率が1cm線量等量率、600nSv/h以下のものは除かれます。

密封線源と非密封線源

放射性物質が漏れないように、容器が密封され、使用中に破壊しても放射能が容器から漏れないものを密封線源、それ以外のものを非密封線源といいます。

放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則で使われる用語

管理区域

外部放射線に係る線量が原子力規制委員会の定める線量を超え、空気中の放射性同位元素の濃度が原子力規制委員会の定める濃度を超え、または放射性同位元素によって汚染される物の表面の放射性同位元素の密度が原子力規制委員会の定める密度を超えるおそれがある場所

作業室

密封されていない放射性同位元素の使用もしくは詰替えをし、または放射性同位元素もしくは放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によつて汚染された物(以下「放射性汚染物」という)で密封されていない物の詰替えをする室

廃棄作業室

放射性同位元素または放射性汚染物(以下「放射性同位元素等」という)を焼却した後、その残沿を焼却炉から搬出、またはコンクリートその他の固型化材料により固型化(固型化する処理を含む)する作業を行う室

汚染検査室

人体または作業衣、履物、保護具などの人体に着用している物の表面の放射性同位元素による汚染の検査を行う室

排気設備

排気浄化装置、排風機、排気管、排気口など気体状の放射性同位元素等を浄化または排気する設備

排水設備

排液処理装置(濃縮機、分離機、イオン交換装置などの機械または装置)、排水浄化槽(貯留槽、希釈槽、沈殿槽、ろ過槽などの構築物)、排水管、排水口など液体状の放射性同位元素等を浄化または排水する設備

固定化処理設備

粉砕装置、圧縮装置、混合装置、詰込装置など放射性同位元素等をコンクリートその他の固型化材料により固型化する設備

放射線業務従事者

放射性同位元素等や放射線発生装置の取扱い、管理またはこれに付随する業務に従事する者であつて、管理区域に立ち入る者

放射線施設

使用施設、廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設

放射性同位元素の使用をする室など

放射性同位元素の使用をする室、放射性同位元素の廃棄のための詰替えをする室、貯蔵室もしくは貯蔵箱、容器、保管廃棄設備、一時的に使用をする場所

防護区域

放射性同位元素の使用をする室などを含む特定放射性同位元素を防護するために講ずる措置の対象となる場所

防護従事者

特定放射性同位元素の防護に関する業務に従事する者(特定放射性同位元素防護管理者を含む)

他に実効線量限度、等価線量限度、空気中濃度限度、表面密度限度が定義されています

規制対象事業者の区分と義務

規制対象事業者の区分

放射性同位元素や放射線発生装置を使用、販売、賃貸、廃棄する者は、業態や取扱量に応じて、原子力規制委員会から許可を受けるか、届け出をする必要があります。

届け出が必要な事業者

①届出使用者
・密封線源で使用量が下限数量の1~1000倍以下のものを取り扱う者
・非密封線源で使用量が下限数量以下のものを取り扱う者
②表示付認証機器届出使用者
・表示付認証機器を取り扱う者
③届出販売業者
・業として放射性同位元素を販売する者
④届出賃貸業者
・業として放射性同位元素を賃貸する者

許可および特定許可が必要な事業者

①許可使用者
・密封線源で使用量が下限数量の1000倍を超えるものを取り扱う者
・非密封線源で使用量が下限数量を超えるものを取り扱う者
②特定許可使用者
・密封線源で使用量が1個または1式、10TBq以上のものを取り扱う者
・非密封線源で貯蔵能力が下限数量の10万倍以上のものを取り扱う者
・放射線発生装置を設置する者
③許可廃棄業者
・放射性同位元素または放射性汚染物を業として廃棄する者

なお、許可使用者と届出使用者の両方を合わせて許可届出使用者といいます。
さらに、許可届出使用者とこれらの者から運搬を委託された者を合わせて許可届出使用者等といいます

規制対象事業者の義務

届け出および許可を受けた者は、その区分に応じて次のことを行う必要があります。
・放射線設備の設置
・施設検査・定期検査の実施
・放射線取扱主任者の選任
・放射線障害予防規程の作成
・放射線の量や放射性同位元素等による汚染の状況の測定
・放射線障害を防止するために必要な教育、訓練の実施
・施設に立ち入るものに対する健康診断の実施

届出使用者の届け出と記載事項

届出使用者の届け出と変更

届け出が必要な事業者のうち、密封線源で使用量が下限数量の1~1000倍以下、または非密封線源で使用量が下限数量以下のものを取り扱う届出使用者は、記載事項を、あらかじめ原子力規制委員会に届け出なければなりません。
また、これら事項を変更する場合、一号では変更日から30日以内に、二~五号では変更する前に、原子力規制委員会に届け出をしなければなりません。

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:放射性同位元素の種類、密封の有無および数量
三号:使用の目的および方法
四号:使用の場所
五号:貯蔵施設の位置、構造、設備および貯蔵能力

表示付認証機器届出使用者の届け出と変更

表示付認証機器を取り扱う表示付認証機器届出使用者は、記載事項を、使用の開始日から30日以内に原子力規制委員会に届け出なければなりません。
また、これらの各事項を変更する場合には、変更日から30日以内に原子力規制委員会に届け出なければなりません。

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:表示付認証機器の認証番号および台数
三号:使用の目的および方法

販売および貸の業の届け出と変更

業として放射性同位元素の販売や賃貸を行う届出販売・賃貸業者は、記載事項を、あらかじめ原子力規制委員会に届け出なければなりません。
ただし、表示付特定認証機器を販売・賃貸する者は届け出の必要がありません。
また、これら事項を変更する場合、一号では変更日から30日以内に、二、三号では変更する前に、原子力規制委員会に届け出をしなければなりません

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:放射性同位元素の種類
三号:販売所または賃貸事業所の所在地

廃棄の業の許可の申請

放射性同位元素または汚染物を業として廃棄しようとする者は、記載事項を記載した申請書を原子力規制委員会に提出し、許可を受けなければなりません

一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:廃棄事業所の所在地
三号:廃棄の方法
四号:放射性同位元素および放射性汚染物の詰替えをする施設の位置、構造および設備
五号:放射性同位元素および放射性汚染物を貯蔵する施設の位置、構造、設備および貯蔵能力
六号:廃棄施設の位置、構造および設備
七号:放射性同位元素または放射性汚染物の埋設の方法による最終的な処分を行う場合にあつては次に掲げる事項
イ 埋設を行う放射性同位元素または放射性汚染物の性状および量
口 放射能の減衰に応じて放射線障害の防止のために講ずる措置

許可使用者の届け出および変更

許可使用者および特定許可使用者の申請書に記載する事項

次のものを使用する許可使用者および特定許可使用者は、工場または事業所単位で使用許可を原子力規制委員会に申請する必要があります。
・密封されていない放射性同位元素を下限数量以上使用する者
・密封された放射性同位元素を下限数量の1000倍を超えたものを使用する者
・放射線発生装置を使用する者

申請書に記載する事項

原子力規制委員会に提出する申請書には、7項目の記載が必要です。
なお、使用するのが放射線発生装置のみの場合には、六号目の貯蔵する施設の記載は不要です

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあつてはその代表者の氏名
二号:放射性同位元素の種類、密封の有無および数量または放射線発生装置の種類、台数および性能
三号:使用の目的および方法
四号:使用の場所
五号:放射性同位元素または放射線発生装置の使用をする施設の位置、構造および設備
六号:放射性同位元素を貯蔵する施設の位置、構造、設備および貯蔵能力
七号:放射性同位元素および放射性汚染物を廃棄する施設の位置、構造および設備

申請書の添付書類

申請書には、予定使用期間を記載した書類、および11種の書類を添付する必要があります

一号:法人にあつては登記事項証明書
二号:予定使用開始時期および予定使用期間を記載した書面
三号:使用施設、貯蔵施設および廃棄施設を中心とし、縮尺と方位を付けた工場または事業所内外の平面図
四号:使用施設、貯蔵施設および廃棄施設の各室の間取り、用途、出入口、管理区域ならびに標識を付ける箇所を示し、かつ縮尺と方位を付けた平面図
五号:使用施設、貯蔵施設および廃棄施設の主要部分の縮尺を付けた断面詳細図
六号:工場または事業所に隣接する区域の状況を記載した書面
六号の二:自動的に表示する装置またはインターロックを設ける場合には、放射性同位元素または放射線発生装置を使用する室の平面図であつて、出入口と自動的に表示する装置またはインターロックを設ける箇所を示したものを記載した書面
七号:排気設備が規定能力を有するものであることを示す書面および図面
排気設備の位置および排気の系統を示す図面
八号:排水設備が規定能力を有するものであることを示す書面および図面
排水設備の位置および排水の系統を示す図面
九号:放射性同位元素または放射線発生装置の使用方法の詳細と、放射線障害を防止するために講ずる措置を記載した書面
十号:使用施設の外で密封されていない放射性同位元素の使用をする場合には、当該使用をする場所を示す図面
十一号:許可を受けようとする者(法人にあつてはその業務を行う役員)(以下「申請者」という)に係る精神の機能の障害に関する医師の診断書

使用の許可の基準

原子力規制委員会は、許可の申請が次の各号に適合しているときに許可をします。
①使用施設の位置、構造および設備が技術上の基準に適合すること。
②貯蔵施設の位置、構造および設備が技術上の基準に適合すること。
③廃棄施設の位置、構造および設備が技術上の基準に適合すること。
④放射性同位元素などによる放射線障害のおそれがないこと。

許可廃棄業者の許可申請

放射性同位元素または放射性汚染物を業として廃棄しようとする者は、原子力規制委員会の許可を受けなければなりません。
許可の申請には、7つの事項を記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければなりません。

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:廃棄事業所の所在地
三号:廃棄の方法
四号:放射性同位元素および放射性汚染物の詰替えをする施設の位置、構造および設備
五号:放射性同位元素および放射性汚染物を貯蔵する施設の位置、構造、設備および貯蔵能力
六号:廃棄施設の位置、構造および設備
七号:放射性同位元素または放射性汚染物の埋設の方法による最終的な処分を行う場合にあつては次に掲げる事項
イ 埋設を行う放射性同位元素または放射性汚染物の性状および量
口 放射能の減衰に応じて放射線障害の防上のために講ずる措置

使用施設などの変更

使用施設などの変更の届け出

許可使用者または許可廃棄業者が、一号「氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名」を変更したときは、変更の日から30日以内に、原子力規制委員会に届け出なければなりません。
このうち、氏名または名称もしくは住所を変更したときは、許可証を提出し訂正を受けなければなりません。

使用施設などの変更の許可

許可使用者または許可廃棄業者が、二から五および七号の事項を変更しようとするときは、許可証を添えて原子力規制委員会に申請し、許可を受けなければなりません。
ただし、その変更が軽微なもののときは、この必要はありません。

変更許可の条件

許可使用者などの申請に対する許可の条件は、次のように規定されています。
第三条第一項本文または第四条の二第一項の許可には、条件を付することができる。
前項の条件は、放射線障害を防止するため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。(法 第八条)

許可使用に係る変更の許可の申請

原子力規制委員会に提出する許可申請書には、4つの事項の記載が必要です。

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:工場または事業所の名称および所在地(許可および特定許可使用者の場合)
廃棄事業所の所在地(許可廃棄業者の場合)
三号:変更の内容
四号:変更の理由

許可証

許可使用者、許可廃棄業者には各事項が記載された許可証が交付されます。

許可証の記載事項
一号:許可の年月日および許可の番号
二号:氏名または名称および住所
三号:使用の目的
四号:放射性同位元素の種類、密封の有無および数量または放射線発生装置の種類、台数および性能
五号:使用の場所
六号:貯蔵施設の貯蔵能力
七号:許可の条件

許可廃棄業者許可証の記載事項
一号:許可の年月日および許可の番号
二号:氏名または名称および住所
三号:廃棄事業所の所在地
四号:廃棄の方法
五号:廃棄物貯蔵施設の貯蔵能力
六号:廃棄物埋設に係る許可証にあつては埋設を行う放射性同位元素または放射性汚染物の量
七号:許可の条件

許可証の再交付

許可証を汚した、破損した、または失くしたときは、(汚染・破損の場合はその許可証を添えて)原子力規制委員会に申請し、再交付を受けることができます。

許可使用に係る使用の場所の一時的変更の届け出

許可使用者は、密閉線源の放射性同位元素3テラベクレルを超えない範囲内で、放射性同位元素の種類に応じて、原子力規制委員会が定める数量の密閉線源の放射性同位元素を5つの用途、または放射線発生装置を3つの用途に使用する場合には、あらかじめ次のものを添えて原子力規制委員会に届け出をすることで、使用の場所を一時的に変更できます。

一 使用の場所およびその付近の状況を説明した書面
二 使用の場所を中心とし、管理区域および標識を付ける箇所を示し、かつ、縮尺および方位を付けた使用の場所およびその付近の平面図
三 放射線障害を防止するために講ずる措置を記載した書面

放射性同位元素の使用の目的
一号:地下検層
二号:河床洗掘調査
三号:展覧、展示または講習のためにする実演
四号:機械、装置などの校正検査
五号:物の密度、質量または組成の調査で原子力規制委員会が指定するもの

放射線発生装置の使用の目的
一号:直線加速装置 橋梁または橋脚の非破壊検査
二号:ベータトロン 非破壊検査
三号:コッククロフト・ワルトン型加速装置 地下検層

変更の許可を必要としない軽微な変更

以下に示す変更は軽微な変更として、許可を受けずに変更できます。
ただし、あらかじめ許可証を添えて原子力規制委員会に届け出なければなりません。

許可を必要としない変更
一号:貯蔵施設の貯蔵能力の減少
二号:放射性同位元素の数量の減少
三号:放射線発生装置の台数の減少
四号:使用施謎二壁F施設または層薬施事の廃止
五号:使用の方法または使用施設、貯蔵施設もしくは廃棄施設の位置、構造もしくは設備の変更であつて原子力規制委員会が定めるもの
六号:放射線発生装置の性能の変更であつて原子力規制委員会が定めるもの

表示付認証機器

表示付認証機器の設計認証

放射性同位元素を装備した機器を製造または輸入しようとする者は、装備した放射性同位元素の数量が少なく、かつ放射線障害のおそれが低いものについて、放射線障害防止のための機能を有する部分の設計および装備機器の年間使用時間
その他の使用、保管および運搬に関する条件について、原子力規制委員会または登録認証機関の認証を得ることができます。

表示付認証機器の特定設計認証

構造や放射性同位元素の数量などからみて放射線障害のおそれが極めて少ない放射性同位元素装備機器を製造、輸入しようとする者は、この機器による放射線障害を防止するための機能を有する部分の設計、放射性同位元素装備機器の使用や保管、運搬に関する条件(年間使用時間に係るものを除く)について、原子力規制委員会または登録認証機関の認証(特定設計認証)を受けることができます。
特定設計認証を受けることができる機器には、煙感知器、レーダ受信部切替放電管、集電式電位測定器および熱粒子化式センサがあります。

設計認証または特定設計認証の申請書記載事項

設計認証または特定設計認証を受けるには、3つの事項を記載した申請書を原子力規制委員会または登録認証機関に提出します。

記載事項
一号:氏名または名称および住所ならびに法人にあってはその代表者の氏名
二号:放射性同位元素装備機器の名称および用途
三号:放射性同位元素装備機器に装備する放射性同位元素の種類および数量

認証の基準

原子力規制委員会または登録認証機関による認証の基準は、次のようになります。

原子力規制委員会又は登録認証機関は、設計認証又は特定設計認証の申請があつた場合において、当該申請に係る設計並びに使用、保管及び運搬に関する条件が、それぞれ原子力規制委員会規則で定める放射線に係る安全性の確保のための技術上の基準に適合していると認めるときは、設計認証または特定設計認証をしなければならない。(法 第十二条の三)

認証機器の表示

設計認証または特定設計認証を受けた者は、その申請時に定めた確認の方法によって、機器の検査を行わなければなりません。
これにより、認証条件の設計に合致していることが確認された放射性同位元素装備機器(特定認証機器)に、認証機器または特定認証機器の表示を付することができます。
この表示がされた機器を表示付認証機器および表示付特定認証機器といいます。
ただし、表示が付された認証機器や特定認証機器以外の装備機器には、認証機器の表示や、これと紛らわしい表示を付してはいけません。

表示付認証機器の販売または賃貸業者の義務

販売または賃貸業者の義務は、次のようになります。

表示付認証機器又は表示付特定認証機器を販売し、又は賃貸しようとする者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、当該表示付認証機器又は表示付特定認証機器に、認証番号(当該設計認証又は特定設計認証の番号をいう。)、当該設計認証又は特定設計認証に係る使用、保管及び運搬に関する条件、これを廃棄しようとする場合にあつては第十九条第五項に規定する者にその廃棄を委託しなければならない旨その他原子力規制委員会規則で定める事項を記載した文書を添付しなければならない。(法 第十二条の六)

なお、添付文書には、機器に法の適用があること、製造者の連絡先、設計認証などの事項を掲載した原子力規制委員会のホームページアドレスの記載が必要です。

規制対象事業者の義務

放射線施設

規制対象者には、次の放射線施設の設置が義務づけられています。
・許可使用者:使用施設、貯蔵施設、廃棄施設
・届出使用者:貯蔵施設(貯蔵容器)
・許可廃棄業者:廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設

施設検査、定期検査、定期確認

特定許可使用者(放射線発生装置使用者を含む)と許可廃棄業者は、原子力規制委員会または登録検査機関から施設検査、定期検査、定期確認の3つを受けなければなりません。

施設検査

放射線施設を設置または変更したとき、施設検査を受けなければなりません。
これに合格した後でなければ、使用施設などを使用してはいけません。

定期検査

特定許可使用者は安全性を確保するため、期間ごとに定期施設検査を受けなければなりません。
また、次の2点について定期確認を受けなければなりません。
①汚染状況の測定が行われ、結果の記録が作成され、保存されているか。
②帳簿が正しく記載され、保存されているか。

使用者/廃棄業者と期間
・密封された放射性同位元素または放射線発生装置のみの使用をする特定許可使用者
設置時施設検査に合格した日または前回の定期検査を受けた日から五年以内
・上記以外の特定許可使用者および許可廃棄業者
設置時施設検査に合格した日または前回の定期検査を受けた日から三年以内

施設検査を必要としない変更の例

次のような施設の変更は軽微な変更であり、施設検査を行う必要がありません。
①密封線源を使用する許可使用者が行う変更
・使用数量が10TBq以上の使用施設や貯蔵施設の増設
・貯蔵能力を10TBq未満から10TBq以上にする貯蔵能力の変更
・廃棄施設の増設
②非密封放射性同位元素を使用する許可使用者
・原子力規制委員会が定める年間使用数量以上の非密封放射性同位元素を使用する使用施設の増設
・非密封放射性同位元素の貯蔵能力が、原子力規制委員会が定める数量以上の貯蔵施設の増設
・工場または事業所の非密封放射性同位元素の貯蔵施設の貯蔵能力を、下限数量に十万を乗じて得た数量未満からそれ以上とする変更
・廃棄施設の増設
③放射線発生装置に係る許可使用者
・放射線発生装置の使用施設の増設
・放射線発化装置を使用していない施設から使用施設への変更
④許可廃棄業者の軽微な変更(①~③と定義の仕方が異なる)
⑤廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設または廃棄施設の増設以外の変更

使用施設などの基準適合義務と基準適合命令

許可使用者、届出使用者、許可廃棄業者は、それぞれ設置が義務づけられている放射線施設を技術上の基準に適合するように維持しなければなりません。
また、原子力規制委員会が基準適合義務を満たしていないと判断した場合は、許可使用者などに施設の移転や修理、改造を命じることができます。
これらを基準適合義務といいます

使用の基準

許可届出使用者は、放射性同位元素または放射線発生装置を使用する場合、技術上の基準に従って放射線障害の防止に必要な措置を講じなければなりません。
原子力規制委員会は、放射性同位元素または放射線発生装置の使用に関する措置が技術上の基準に適合していないと認めるときは、許可届出使用者に使用法の変更その他放射線障害の防止に必要な措置を命じることができます。

作業室の使用基準

・放射性同位元素または放射線発生装置の使用は、使用施設において行う。
・密封されていない放射性同位元素の使用は、作業室において行う。
・実効および等価線量限度を超えないよう、被ばく防護の3原則を実施する。
・室の出入口にインターロックを設けるとともに、人が閉じ込められた場合、速やかに脱出できる措置を講じる。
・作業室内の空気を浄化または排気し、空気中濃度限度を超えないようにする。
・作業室での飲食および喫煙を禁止する。
・作業室などで人が触れるものの表面を汚染除去または廃棄することで、表面密度限度を超えないようにする。
・作業室では作業衣、保護具などを着用し、着用のまま作業室から退出しない。
・作業室から退出するときは、放射性同位元素による汚染を検査し、除去する。
・汚染され、表面密度限度を超えたものを作業室から持ち出さない。

放射性同位元素の使用基準

・放射性汚染物で、表面の放射性同位元素の密度が、原子力規制委員会が定める密度を超えたものは、みだりに管理区域から持ち出さない。
・密封放射性同位元素を使用する場合は、開封または破壊されるおそれがないこと。
また、漏えいなどで散逸・汚染するおそれがないこと。
・密封放射性同位元素の移動使用後は直ちに、放射線測定器で紛失、漏えいなどを点検し、異常があるときは放射線障害を防止する措置を講じる。

使用施設の使用基準

・使用施設または管理区域には、障害の防止に必要な注意事項を掲示する。
・放射性同位元素または放射線発生装置用の管理区域には標識を付ける。
・管理区域に人がみだりに入らない措置を講じる。放射線業務従事者以外の者が入るときは、放射線業務従事者の指示に従わせる。

使用場所の変更に関する使用基準

・陽電子断層撮影用放射性同位元素を人以外の生物に投与した場合、その生物と排出物は、投与された放射性同位元素の原子の数が一(個)以下になるまで管理区域内で保管した後でなければ、みだりに管理区域から持ち出さない。
・原子力規制委員会に届け出をして使用場所を変更するときに、400GBq以上の放射性同位元素を装備する機器を使用する場合は、その機器に放射性同位元素の脱落を防止するための装置を備えつける。
・原子力規制委員会に届け出をして使用場所を変更するときに、放射性同位元素や放射線発生装置を使用している場合は、第一種または第二種、放射線発生装置では第一種放射線取扱主任者免状所有者の指示の下に行う

保管の基準

許可届出使用者や許可廃棄業者は、放射性同位元素や放射性汚染物を保管する場合、技術上の基準に従って放射線障害防止に必要な措置を講じなければなりません。
ただし、原子力規制委員会が、この保管措置が技術上の基準に適合していないと判断した場合は、保管の方法の変更その他放射線障害の防止のために必要な措置を命じることができます。
また、届出販売業者や届出賃貸業者は、これらの保管を許可届出使用者に委託しなければなりません。

放射性同位元素に関する保管の基準

・密封されていない放射性同位元素は、容器に入れ、かつ貯蔵室または貯蔵箱で保管しなければならない。
・貯蔵施設には、その貯蔵能力を超える放射性同位元素を貯蔵しないこと。
・貯蔵施設のうち、放射性同位元素を経口摂取するおそれがある場所では飲食や喫煙を禁止すること。
・空気を汚染するおそれがある放射性同位元素を保管する場合、放射性同位元素の濃度が貯蔵施設内の人が呼吸する空気中にある空気中濃度限度を超えないようにしなければならない。
・液体状または固体状の放射性同位元素を入れた容器で、き裂や破損などの事故が生じるおそれがあるものには、受皿、吸収材その他の施設または器具を用いることにより、汚染の広がりを防止すること。
・密封された放射性同位元素を耐火性構造の容器に入れて保管する場合、その容器をみだりに持ち運ぶことができないような措置を講じなければならない。

放射化物保管設備に関する基準

・放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染されたもの(以下「放射化物」という)のうち、放射線発生装置を構成する機器または遮へい体として用いるものを保管する場合は、次に定めるような放射化物保管設備を設けること。
①放射化物保管設備⇒外部と区画された構造とする。
②放射化物保管設備の扉やふたなどの外部に通じる部分⇒鍵その他の閉鎖のための設備または器具を設ける。
・放射化物保管設備は、耐火性の構造で、かつ第十四条の九第四号の基準に適合する容器を備えること。
ただし、放射化物が大型機械などのため、容器に入れることが著しく困難な場合には、汚染の広がりを防止するための特別な措置を講じれば、この限りではない。

特定放射性同位元素

用語の定義

・防護区域:放射性同位元素を使用する室などを含む、特定放射性同位元素を防護するために講じる措置の対象となる場所
・防護従事者:特定放射性同位元素防護管理者を含む、特定放射性同位元素の防護に関する業務に従事する者
なお、提出先は原子力規制委員会です。

工場などの防護のために講ずべき措置

許可届出使用者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素を工場または事業所で取り扱う場合、区分に応じ、施錠その他で特定放射性同位元素の管理、防護上必要な設備および装置の整備と点検、その他防護に必要な措置を講じなければなりません。
防護に必要な措置は、次に定められます。
ただし、緊急診療などの緊急対応は、あらかじめ特定放射性同位元素防護規程(以下「防護規程」)に定めて行います。
①防護区域を定めること。
②防護区域への人の立入りについては、次に掲げる措置を講じること。
・業務上防護区域に常時立ち入る者(以下「防護区域常時立入者」)には、その身分および防護区域への立入りの必要性を確認のうえ、立入りを認める証明書面等(以下「証明書等」)を発行し、立入りの際に証明書等を所持させる。
・防護区域に立ち入ろうとする者(防護区域常時立入者を除く)には、身分および防護区域への立入りの必要性を確認する。
本人確認は、運転免許証、パスポートなど、公的機関発行の顔写真入り証明書などで行う。
ただし、区分1の場合は2種類の顔写真入り証明書で確認する。
また、防護区域内では防護従事者を同行させ、特定放射性同位元素の防護に必要な監督を行わせる。
③防護区域への侵入防止のため、防護区域の出入日、または防護区域の出入口およびそこに至る経路上にある出入口に異なる2種以上の鍵で施錠する。
また、防護従事者に出入口を常時監視させる場合以外では、次の措置を講じること
・防護従事者から鍵の管理者を指定し、鍵を厳重に管理させ、他の者が鍵を取り扱うことを禁止する。
ただし、一時的な取扱いを認めた防護区域常時立入者については、この限りではない。
・鍵か錠に異常があった場合、速やかに取替えまたは構造変更を行う。
④防護区域常時立入者が防護区域に立ち入る場合には、その都度、立入りが正当なものかを確認するため、2以上の措置を講じること(区分2、3では1措置)。
⑤防護区域への侵入監視のため、次に掲げる装置(以下「監視装置」)を設置する。
ただし防護区域で特定放射性同位元素の使用または廃棄のため、詰替えのみをする場合、2人以上の防護従事者に同時に行わせるときは、この限りではない。
・侵入を確実に検知して直ちに表示、また一定期間の録画機能を有する装置。
・侵入を検知したら警報を発するとともに、あらかじめ指定した者に直ちに通報する機能を有する装置。
・上記とも装置への不正活動を検知し、警報を発する機能が有るものに限る。
⑥堅固な障壁で区画、その他で、特定放射性同位元素を容易に持ち出せないように2層以上の障壁を設ける(区分2、3では1層のみでよい)。
ただし、防護区域で特定放射性同位元素の使用、または廃棄に詰替えのみをする場合、2人以上の防護従事者に同時に行わせるときは、この限りではない。
⑦特定放射性同位元素の管理には、次の措置を講じる。
・特定放射性同位元素は、防護区域内に置く。
・監視装置により防護区域への侵入を常時監視する。
ただし、防護区域常時立入者が立ち入る場合、監視は不要。
特定放射性同位元素の管理や、特定放射性同位元素の防護のための設備または装置に異常が認められた場合、防護従事者に直ちに組織的な対応(指定した防護従事者に異常を報告、その他の防護規程に定めた措置)をとらせる。
・防護従事者に毎週1回以上、特定放射性同位元素とその防護に必要な設備および装置の点検を行わせ、異常があった場合には直ちに組織的な対応をとらせ、なかった場合は防護規程に従って報告させる。
⑧事業所などで特定放射性同位元素を運搬する場合、放射性輸送物に容易に破れないシールの貼付けなどの措置を講じる。
ただし、2人以上の防護従事者で運搬させるときは、この限りではない。
⑨特定放射性同位元素の防護に必要な情報を取り扱う電子計算機は、電気通信回線を通じた外部からの不正アクセスを遮断する措置を講じる。
⑩特定放射性同位元素の防護に必要な設備と装置は保守を行い、機能を維持する。
⑪特定放射性同位元素に盗取のおそれがある、または行われた場合の関係機関ヘの連絡には、2以上(区分2、3では1つ)の連絡手段を備える。
また、連絡を確実かつ速やかに行えるようにする。
また、そのための手順書を作成する。
⑫特定放射性同位元素の防護に必要な措置に関する詳細な事項は、当該事項を知る必要がある者以外に知られないよう管理する。
⑬特定放射性同位元素の防護のために必要な体制を整備する。

一時的な使用の防護のために講ずべき措置

一時的に使用する場合の防護に必要な措置は、次のとおりです。
なお、一時使用の場合、場所の変更を届け出る必要があります。
①一時的使用場所の管理区域に立ち入ることが必要な者であることを確認するとともに、立ち入ることを認めた者以外の立入りを禁止する。
②作業は、2人以上の防護従事者に同時に作業を行わせる。
③特定放射性同位元素の管理について、次に掲げる措置を講じる。
・特定放射性同位元素は、一時的に使用する場所の管理区域内に置く。
・防護従事者に、特定放射性同位元素の管理に係る異常が認められた場合には、直ちに組織的な対応をとらせること。
これ以外に前項の⑧、⑪、⑫、⑬に対応する措置が必要です。

特定放射性同位元素防護規定の作成、届け出および変更

許可届出使用者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素の取扱いを開始する前に、特定放射性同位元素防護規程(以下「防護規程」)を作成し、届け出なければなりません。
防護規程を変更したときは、変更の日から30日以内に届け出ます。
防護規程には、次の事項について定めます。
①防護従事者に関する職務および組織に関すること。
②特定放射性同位元素防護管理者の代理者に関すること。
③特定放射性同位元素の区分の別に関すること。
④防護区域の設定に関すること。
⑤防護区域(常時および一時使用場所の管理区域)の出入管理に関すること。
⑥監視装置の設置に関すること。
⑦特定放射性同位元素を容易に持ち出せないようにする措置に関すること。
③特定放射性同位元素の管理に関すること。
⑨特定放射性同位元素の防護のために必要な設備、または装置の機能を常に維持するための措置に関すること。
⑩関係機関との連絡体制の整備に関すること
⑪特定放射性同位元素の防護のために必要な措置に関する詳細な事項に係る情報の管理に関すること。
⑫特定放射性同位元素の防護のために必要な教育および訓練に関すること。
⑬緊急時対応手順書に関すること。
⑭特定放射性同位元素の運搬に関すること。
⑮特定放射性同位元素に係る報告に関すること。
⑯特定放射性同位元素の防護に関する記帳および保存に関すること。
⑰特定放射性同位元素の防護に関する業務の改善に関すること。
⑱その他特定放射性同位元素の防護に関して必要な事項。

工場外の運搬時の特定放射性同位元素の防護と取決めの締結

許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素を工場または事業所の外で運搬する場合、運搬を開始する前に、発送人、運搬の責任者と受取人の間で運送の時期および場所その他、運搬に関する
取決めを締結する必要があります。
取決めの内容には、次のことがあります。
①出発地からの搬出と、到着地への搬人の予定日時および運搬手段。
②出発地から搬出後、直ちに発送人から受取人に通知する。
③予定日までに搬出されないときは、直ちに発送人が受取人に通知する。
④到着地に搬入後、受取人は輸送物のシールの健全性を確認し、直ちに発送人に通知する。
⑤予定日までに搬入されないときは、直ちに受取人が発送人に通知する。
⑥運搬の責任が移転される(荷物が運送業者に引き渡される)予定日時、場所と責任が移転されるための手続。
⑦予定日時までに運搬の責任が移転されないと見込まれるときは、直ちに当該責任が移転される者に通知する。
③運搬の責任が移転された、または予定日時までに運搬の責任が移転されないときは、直ちに運搬の責任者が発送人に通知する。
また、運搬開始前に、取決めの締結について、原子力規制委員会に届け出ます。
ただし、発送人、運搬責任者と受取人が同じ者の場合、関連する事項を防護規程に盛り込めば、運搬に関する取決めやその届け出は不要です。

特定放射性同位元素に関する報告

①許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素を譲受けまたは譲渡したとき、その数量、年月日、相手方の氏名または名称および住所などを報告する。
②許可届出使用者などは、密封された特定放射性同位元素について、次の3分類ごとに“:"の後の行為を行ったときは、実施日から15日以内に報告する。
・許可届出使用者:製造、輸入、受入れ、輸出または払出し
・届出販売業者、届出賃貸業者:輸入、譲受け(回収、賃借および保管の委託の終了を含む)、輸出または譲渡(返還、賃貸および保管の委託を含む)
・許可廃棄業者:受入れまたは払出し
③許可届出使用者などは、前項で報告した特定放射性同位元素の内容を変更、または変更で当該特定放射性同位元素が特定放射性同位元素でなくなった場合、その旨と内容を、変更の日から15日以内に報告しなければならない。
なお、変更が受入れまたは払出しによる場合は、同項の報告を併せて行うことができる。
④許可届出使用者および許可廃棄業者は、毎年3月31日に所持している密封特定放射性同位元素について、同日の翌日から起算して3月以内に報告する。

防護に関する教育訓練

許可届出使用者・廃棄業者が、特定放射性同位元素を取り扱う場合、その防護に関する業務従事者に防護規程の周知を図るほか、防護に必要な教育および訓練を施さなければなりません。
教育および訓練の時期と内容は、次のとおりです。
・防護に関する教育と訓練は、初めて特定放射性同位元素の防護の業務を開始する前、およびその業務を開始後は前回の防護の教育および訓練を行つた日の属する年度の翌年度の開始の日から1年以内に行う。
・防護に関する教育および訓練は、次に定める項目について施す。
イ 防護に関する概論
口 防護に関する法令および特定放射性同位元素防護規程
防護従事者の職務内容に応じて、上記項目の全部または一部に関し、十分な知識などがある者には、それらに関する教育および訓練を省略できます。

防護に関する記帳義務

許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素を取り扱う場合に帳簿を備え、特定放射性同位元素の防護のために必要な措置および事項を記載し、保存しなければなりません。
帳簿に記載する事項の細目などは、次のとおりです。
①許可届出使用者および許可廃棄業者については、次によるものとする
・防護区域の常時立入者への証明書などの発行状況およびその担当者の氏名
・防護区域の出入管理の状況およびその担当者の氏名(上記項を除く)
・監視装置による防護区域内の監視の状況およびその担当者の氏名
・特定放射性同位元素の点検の状況およびその担当者の氏名
・特定放射性同位元素の防護のために必要な設備および装置の点検および保守の状況ならびにこれらの担当者の氏名
・防護に関する教育および訓練の実施状況
・特定放射性同位元素の運搬に関する取決め
②届出販売業者および届出賃貸業者
・特定放射性同位元素の運搬に関する取決め
③許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者または許可廃棄業者は、毎年3月31日、または許可の取消や廃業などをした日に帳簿を閉鎖する。
④帳簿の保存の期間は、帳簿の開鎖後5年間とする。
⑤帳簿が電磁的方法で記録され、必要に応じて電子計算機その他で直ちに表示できるように保存されるときは、その記録の保存で帳簿保存に代えられる。

特定放射性同位元素防護管理者

許可届出使用者および許可廃棄業者は、特定放射性同位元素を工場または事業所で使用、保管、運搬または廃棄(廃棄物埋設を除く)する場合、取扱いを開始するまでに、特定放射性同位元素に関する業務を統一的に管理させるため、次の
特定放射性同位元素防護管理者の要件を備えた者の中から、 1工場、 1事業所または1廃棄事業所につき、少なくとも1名を選任し、その日から30日以内に届け出なければなりません(解任の場合も30日以内に届け出ます)。
①事業所などで特定放射性同位元素の防護に関する業務を統一的に管理できる地位にある者であること。
②放射性同位元素の取扱いの一般的な知識を有すること。
③特定放射性同位元素の防護に関する業務に管理的地位にある者として1年以上従事した経験がある者、またはこれと同等以上の知識と経験を有していると原子力規制委員会が認めた者であること。
特定放射性同位元素防護管理者の代理者の選任も同様です。
特定放射性同位元素防護管理者の義務など、特定放射性同位元素防護管理者は誠実に職務を遂行しなければなりません。
また、放射線施設に立ち入る者は特定放射性同位元素防護管理者の指示に従わなければなりません。
使用者などは特定放射性同位元素の防護に関し、特定放射性同位元素防護管理者の意見を尊重しなければなりません。

遅搬の基準

放射性同位元素(RI)や放射性汚染物の運搬時には、安全確保が必要です。
この運搬の基準は事業所・工場内の運搬と事業所外の運搬に分けて定められています。

事業所外の運搬

事業所外の運搬に関する基準の目的は、次のように定められています。
許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者及び許可廃棄業者並びにこれらの者から運搬を委託された者(以下「許可届出使用者等」という。)は、放射性同位元素又は放射性汚染物を工場又は事業所の外において運搬する場合(船舶又は航空機により運搬する場合を除く。)においては、原子力規制委員会規則(鉄道、軌道、索道、無軌条電車、自動車及び軽車両による運搬については、運搬する物についての措置を除き、国土交通省令)で定める技術上の基準に従って放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない。(法 第十八条)

輸送物の型式

放射性輸送物とは、容器に収納、または包装されている放射性同位元素などのことをいいます。
放射性輸送物は原子力規制委員会が、収納する放射性同位元素などの放射能量や物理的形態により、次の4つの型式を定めています。
・L型輸送物:危険性が極めて少ない放射性同位元素など
・A型輸送物:原子力規制委員会が定める量を超えない量の放射能を有する放射性同位元素など(L型に属するものは除く)
・B型輸送物:原子力規制委員会が定める量を超える放射能を有する放射性同位元素など(A型、L型に属するものは除く)。
B型は、国際輸送時の許可条件によって、さらにBM型とBU型に分類される
・lP型輸送物:放射能濃度が低い放射性同位元素などのうち、危険性が少ないものや、放射性同位元素で表面が汚染されたものであって危険性が少ないもの

特別形
放射性同位元素などが衝撃や高温にあつても漏出しないように強固なステンレス鋼カプセル内に完全溶接密封されたもので、原子力規制委員会の承認を受けたものです。

非特別形
特別形以外のもので、一般に液体や固体状の放射性同位元素等をガラスアンプルなどに封入したものをいいます。

A1値、A2値
放射性同位元素等を運搬するとき、A型輸送物を使うかB型輸送物を使うかを決める放射能限度を、特別形でA1値、非特別形でA2値といいます。
放射性同位元素の種類ことに決められた放射能の量です

輸送物への標識と表示

放射性輸送物への標識と表示義務

A型輸送物およびB型輸送物の表面には、輸送物表面および表面から1mの地点の1cm線量当量率、ならびに輸送指数(TI:Transport lndex)の基準値に応じて、3種のいずれかの標識を取り付けることが義務づけられています。
また、輸送物の表面には、荷送人もしくは荷受人の氏名または名称と住所の記載が必要です。

輸送指数の値
輸送物表面から1m地点の1cm線量当量率(mSv/h)の値の100倍を輸送指数といいます。
なお、この値が0.05mSv/h以下のときは、輸送指数の値を0とします。

車両標識の設置

輸送用の車両には、車両標識を取り付けることが義務づけられており、車の左右両面や後面の見やすい位置に取り付けます。
なお、輸送用の車両には、原子力規制委員会が定める危険物を混載してはいけません。
3つの標識は、上半分の色、輸送指数表示の有無、および右側の赤い線の数が異なります。

放射能の標識

放射能標識と衛生指導標識

放射性同位元素や放射線発生装置を取り扱う部屋、設備、容器などには標識を付けることが義務づけられています。
この標識には放射能標識と衛生指導標識があり、衛生指導標識は緑地に白十字が記されており、汚染検査室のみに使用されます

放射能標識の種類と表示形式

放射能標識は上下に入れる文字により、5種類に分類されます。

上だけに室名または内容物名が入る標識

この標識は、立ち入りが制限されていない作業室と保管容器に使用します

使用場所と上部文字
放射性同位元素の使用室:放射性同位元素使用室
放射線発生装置の使用室:放射線発生装置使用室
放射性廃棄物詰替室:放射性廃棄物詰替室
廃棄作業室:廃棄作業室
放射化物保管設備に備える容器:放射化物
廃棄物貯蔵施設に備える容器:放射性廃棄物
放射性廃棄物保管廃棄設備に備える容器:放射性廃棄物
届出使用者が廃棄を行う場所に備える容器:放射性廃棄物

上に設備名、下に「許可なくして立ち入りを禁ず」と入る標識

この標識は、中に人が入れる設備に使用します。

使用場所と上部文字
放射化物保管設備:放射化物保管設備
貯蔵室:貯蔵室
保管廃棄設備:保管廃棄設備

上に設備名、下に「許可なくして触れることを禁ず」と入る標識

この標識は、中に人が入れない設備に使用します。

使用場所と上部文字
排気設備:排気設備
貯蔵箱:貯蔵箱

上に管理区域、下に「許可なくして立ち入りを禁ず」と入る標識

この標識は、管理区域に使用し、管理区域という文字の下にはカッコ付きで施設名または場所名が入ります。

管理区域:(使用施設)、(廃棄物詰替施設)、(貯蔵施設)、(廃棄物貯蔵施設)、(廃棄施設)
許可使用者が場所の変更を届け出て一時的に行う放射性同位元素や放射線発生装置の使用の場所に係る管理区域:(放射性同位元素使用場所)(放射線発生装置使用場所)
届出使用者が行う使用や廃棄の場所に係る管理区域:(放射性同位元素使用場所)、(放射性同位元素廃棄場所)

上に「放射性同位元素」と入る標識

この標識は、貯蔵施設に備える容器のみに使用し、標識には「放射性同位元素」という文字と、その種類、数量を記載する欄が入ります。
なお、排水設備のみ2つのタイプを使用するため、上部文字に「排水設備」、下部文字に「許可なくして立ち入りを禁ず」または「許可なくして触れることを禁ず」と入ります。

場所の測定

測定に関する規定

許可届出使用者と許可廃棄業者には、次の3つの事項が定められています。
①場所の測定:放射線障害のおそれがある場所について、放射線の量や放射性同位元素などによる汚染の状況を測定しなければなりません。
②外部測定:使用施設や廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設に立ち入った者について、その者の受けた放射線の量や放射性同位元素などによる汚染の状況を測定しなければなりません。
③記録の作成と保存:①と②の測定の結果について記録の作成、保存その他の原子力規制委員会規則で定める措置を講じなければなりません。(法 第二十条)

場所の測定と間隔

場所の測定では、放射性同位元素による汚染の状況と放射線の量に関する測定が必要で、場所に対して測定を行います

測定の間隔は作業や機器の使用を開始する前に1回、開始した後に定められた期間ごとに行います。
ただし、排気口や排水口などは、放射性同位元素などを取り扱うたびに測定を行います。

放射線の量の測定で使用する線量当量

放射線の量の測定はlcm線量当量またはlcm線量当量率で行います。
ただし、70μ m線量当量(当量率)がlcm線量当量(当量率)の10倍を超えるおそれがある場所では、それぞれ、70μ m線量当量または70μ m線量当量率で測定します。

放射性同位元素による汚染の状況と放射線の量の測定方法

放射性同位元素による汚染の状況および放射線の量の測定は、放射線測定器を用いて行います。
ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難な場合には、計算によってこれらの値を算出できます

測定期間外規定

測定の期間については、次の4つの例外規定があります。
①廃棄物埋設地を設けた廃棄事業所の境界における放射線の量の測定では、すべての廃棄物埋設地を土砂などで覆うまでの間のみ、 1週間を超えない期間ごとに1回行います。
②密封された放射性同位元素を固定して取り扱う場所のうち、取扱いの方法と遮へい壁その他の遮へい物の位置が一定している場合、放射線の量の測定は6か月を超えない期間ごとに1回行います(つまり、上記条件が満たされた密封放射性同位元素を扱う場合は、量によらず6か月に1回の測定で済みます)。
③密封された放射性同位元素の取扱いが、下限数量に1000を乗じて得た数量以下の場合、放射線の量の測定は6か月を超えない期間ごとに1回行います(つまり、密封された放射性同位元素を固定しないで使用する場合でも、使用量が少なければ、6か月に1回の測定で済みます)。
④排気設備の排気回や排水設備の排水日、排気監視設備のある場所、排水監視設備のある場所を連続して使用する場合は、測定も連続して行います。

放射性同位元素では、その種類ことに下限数量と下限濃度を定め、数量と濃度のどちらか一方でも下限以下ならば、法規制の対象になりません。

人体被ばくの測定

外部被ばくと内部被ばくによる線量の測定

使用施設などに立ち入った者は、放射性同位元素による汚染の状況と放射線の量を測定しなければなりません。
この測定では、外部被ばくと内部被ばくによる線量を測定します。

外部被ばくによる線量の測定

外部被ばくによる線量の測定場所

外部被ばくによる線量の測定では、被ばく場所について、測定を行います

・全身が均―に被ばくする場合:男性は胸部 女性は腹部
・最も被ばくする場所が次の場合
頭部と頸部:男性は胸部と頭部 女性は腹部と頭部
胸部と上腕部:男性は胸部 女性は腹部と胸部
腹部と大腿部:男性は胸部と腹部 女性は腹部
・最も被ばくする場所が上記以外の場合:上記の場所に加えその部位
*妊娠不能と診断された者と、妊娠の意思のないことを書面で申し出た女性の場合は、男性と同じ場所を測定します。

外部被ばくの測定方法

外部被ばくの測定は、1cm線量当量および70μ m線量当量(中性子線は1cm線量当量)で行います。
ただし、最も被ばくする場所が指定部位以外の場合では、1cm線量当量の測定は必要ありません。
なお、測定では放射線測定器を使用し、管理区域に入る者に対して管理区域に入る間、継続して行います。

外部被ばく線量の算出

外部被ばくを測定器で求めるのが著しく困難な場合は、計算で算出できます。

内部被ばくによる線量の測定

内部被ばくによる線量の測定条件

内部被ばくによる線量の測定は、次のような場合に行います。
①放射性同位元素を誤って吸入摂取、または経口摂取したとき。
②作業室、その他放射性同位元素を吸入摂取、または経口摂取するおそれがある場所に立ち入る者は、3か月を超えない期間ごとに1回。
③妊娠した女子の場合には、出産までの間は1か月を超えない期間ごとに1回。

被ばく線量測定の例外規定

作業室、その他放射性同位元素を吸入摂取、または経口摂取するおそれがある場所に一時的に立ち入る者であって、放射線業務従事者でない者は、その者の内部被ばくによる線量が、原子力規制委員会が定める線量を超えるおそれがないと
き、内部被ばくの測定は不要です。

測定結果の記録

測定結果から、実効線量および等価線量を4月1日、7月1日、10月1日および1月1日を始期とする各3月間、4月1日を始期とする1年間ならびに妊娠した女子については出産までの間、毎月1日を始期とする1月間について、当該期間ごとに算定し、記録します

放射線障害予防規程

放射線障害予防規程

許可届出使用者、届出販売業者(表示付認証機器等のみを販売する者を除く)、届出賃貸業者(表示付認証機器等のみを賃貸する者を除く)および許可廃棄業者は、18項目を含む放射線障害予防規程をつくり、使用や事業の開始までにそれを原子力規制委員会に届け出ることが求められます。

放射線障害予防規程の届け出が必要な場合

次の3つを開始するときには、放射線障害を防止するため、開始前に放射線障害予防規程を作成し、原子力規制委員会に届け出をしなければなりません。
①放射性同位元素や放射線発生装置を使用するとき。
②放射性同位元素の販売や賃貸の業を開始するとき。
③放射性同位元素や放射性汚染物の廃棄の業を開始するとき。

放射線障害予防規程の変更に関する規定
①放射線障害予防規程を変更したときには、変更の日から30日以内に、原子力規制委員会に届け出をしなければなりません。
②原子力規制委員会は、放射線障害を防止するために必要があると認めるときは、放射線障害予防規程の変更を命じることができます。

放射線障害予防規程を作成不要のもの

放射性同位元素の運搬を委託された者は、放射線障害予防規程を作成する必要はありません。

放射線障害予防規程に記載する事項

放射線障害予防規程に盛り込む内容には、次の事項が定められています。

①放射線取扱主任者その他、放射性同位元素等または放射線発生装置の取扱いの安全管理に従事する者に関する職務および組織について
②放射線取扱主任者の代理者の選任について。
③放射線施設の維持および管理(管理区域以外に立ち入る者の立入管理を含む)、ならびに放射線施設(届出使用者が密封された放射性同位元素を使用し、または密封された放射性同位元素もしくは放射性同位元素によって汚染されたものを廃棄する場合にあっては管理区域)の点検について。
④放射性同位元素または放射線発生装置の使用について(密封されていない放射性同位元素の数量の確認の方法を含む)。
⑤放射性同位元素等の受入れ、払出し、保管、運搬または廃棄について(届出賃貸業者では、放射性同位元素を賃貸した許可届出使用者により適切な保管が行われないときの措置を含む)。
⑥放射線の量および放射性同位元素による汚染の状況の測定ならびにその測定の結果について。
⑦放射線障害を防止するために必要な教育および訓練について。
③健康診断について。
⑨放射線障害を受けた者、または受けたおそれがある者に対する保健上必要な措置について。
⑩帳簿への記帳および保存について。
①地震、火災その他の災害が起こったときの措置について(危険時の措置を除く) 。
⑫危険時の措置について。
⑬放射線障害のおそれがある場合、または放射線障害が発生した場合の情報提供について。
⑭応急の措置を講じるために必要な事項であって、次に掲げるものについて。
・応急の措置を講じる者に関する職務および組織について。
・応急の措置を講じるために必要な設備または資機材の整備について。
・応急の措置の実施に関する手順について。
・応急の措置に係る訓練の実施について。
・都道府県警察、消防機関および医療機関その他関係機関との連携について。
⑮放射線障害の防止に関する業務の改善について(特定許可使用者および許可廃棄業者に限る)。
⑯放射線管理の状況の報告について。
⑰廃棄物埋設を行う場合、廃棄物埋設地に埋設した埋設廃棄物に含まれる放射能の減衰に応じて放射線障害の防止のために講じる措置について。
⑱その他放射線障害の防止に関し、必要な事項について。

教育訓練

教育訓練

許可届出使用者および許可廃棄業者は、使用施設や廃棄物詰替施設などに立ち入る者に対し、放射線障害予防規程の周知その他を図るほか、放射線障害を防止するために必要な教育および訓練を施さなければなりません。

教育訓練の対象者と実施項目

教育および訓練の対象者と時期

教育訓練の対象者は、管理区域に立ち入る者と、取扱等業務に従事する者です。
放射線取扱業務従事者
・初めて管理区域に立ち入る前
・立入り後は教育訓練を行つた日の属する年度の翌年度の開始の日から一年以内
取扱等業務に従事する者で、管理区域に立ち入らない者
・取扱等業務を開始する前
・業務開始後は教育訓練を行った日の属する年度の翌年度の開始の日から一年以内

教育および訓練を施す項目と時間数

教育および訓練を施す項目と時間数は、以下のとおりです。
十分な知識と技能のある者には、当該項目や事項の教育訓練を省略できます。
・放射線の人体に与える影響:30分以上
・放射性同位元素等または放射線発生装置の安全取扱い:1時間以上
・放射線障害の防止に関する法令および放射線障害予防規程:30分以上

管理区域に立ち入る者および取扱等業務以外の者への教育訓練

管理区域に立ち入る者および取扱等業務以外の者には、その者が立ち入る放射線施設で放射線障害の発生防止に必要な事項について、教育訓練を行います。
なお、X線装置、またはγ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影業務を行う労働者については、電離放射線障害防止規則により、上記項目に代わり、以下の項目について特別の教育(透過写真撮影業務特別教育規程)を行わなければなりません。
①透過写真の撮影の方法
②X線装置またはγ線照射装置の構造および取扱いの方法
③電離放射線の生体に与える影響
④関係法令

放射線発生装置に係る管理区域に立ち入る者の特例

修理などで放射線発生装置を7日以上停止する場合、停止している間、管理区域を管理区域でないとみなします。

健康診断

健康診断の義務

許可届出使用者および許可廃棄業者は、使用施設や廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設または廃棄施設に立ち入る者に対し、健康診断を行わなければなりません。
また、健康診断結果は記録を作成し、保存しなければなりません。

健康診断の対象者と行う時期

健康診断の対象者:放射線業務従事者(一時的に管理区域に入る者は除く)
健康診断の時期:初めて管理区域に立ち入る前、その後1年を超えない期間ごとの定期診断

臨時健康診断

次のような場合は遅滞なく、その者の健康診断を行わなければなりません。
①放射性同位元素を誤って吸入摂取、または経口摂取したとき
②放射性同位元素で表面密度限度を超えて皮膚が汚染され、それを容易に除去できないとき
③放射性同位元素で皮膚の創傷面が汚染される、またはそのおそれがあるとき
④規定の実効線量限度または等価線量限度を超えて放射線を被ばくする、またはそのおそれがあるとき

健康診断の方法と項目

健康診断には、間診と、検査または検診の2つがあります。

問診で行う事項

問診の内容は次のとおりです。
なお、間診は初めて管理区域に立ち入る前の健康診断および定期診断の場合とも実施します。
①放射線の被ばく歴の有無
②被ばく歴を有する者について、作業の場所、内容、期間、線量、放射線障害の有無その他放射線による被ばくの状況

検査または検診する部位と項目

検査または検診を行う部位は、次のとおりです。
ただし、初めて管理区域に立ち入る前の検査では眼の検査、定期検査ではその他原子力規制委員会が定める部
位および項目を除くすべての項目とも検査は医師が必要と認める場合に限り実施します。
・末梢血液中の血色素量、ヘマトクリット値、赤血球数、白血球数、白血球百分率
・皮膚
・眼
・その他原子力規制委員会が定める部位および項目

結果の記録と交付

健康診断の結果は、その都度、次の事項について記録し、健康診断を受けた者に対しては記録の写しを交付します。
・実施年月日
・対象者の氏名
・健康診断を行った医師名
・健康診断の結果
・健康診断の結果に基づいて講じた措置

記録の保存

許可届出使用者と許可廃棄業者は、従業者の診断記録を永久に保存する義務があります。
また、この記録は電磁的方法で保存できます。
ただし、次の場合には、診断記録を原子力規制委員会が指定する機関に引き渡すことができます。
①健康診断を受けた者が従業者でなくなった場合
②当該記録を5年以上保存した場合

放射線障害を受けたものへの措置と記帳

放射線障害を受けた者への措置と記帳

作業中に実効線量限度(1年間につき50mSv)、眼の水晶体や皮膚の等価線量限度(それぞれ1年間につき150mSvと500mSv)以上の被ばくを受けた、もしくは受けたおそれがある者、また、表面汚染密度(α線を放出するもの:4Bq/cm2、α線を放出しないもの:40Bq/cm2)以上の汚染を受け、その汚染を容易に除去できない者または受けたおそれがある者に対しては、遅滞なく、健康診断を行わなければなりません。
また、健康診断以外にも次の措置を講じなければなりません。

・放射線障害又は放射線障害を受けたおそれの程度に応じ、管理区域への立入時間の短縮、立入りの禁止、放射線に被ばくするおそれの少ない業務への配置転換などの措置を講じ、必要な保健指導を行うこと
・放射線業務従事者以外の者が放射線障害を受け、又は受けたおそれのある場合には、遅滞なく、医師による診断、必要な保健指導などの適切な措置を講ずること。(則 第二十三条)

記帳の義務

許可届出使用者などは、その業種に応じて、規定事項を記載した帳簿を備え、保存しなければなりません。

帳簿の開鎖と保存

帳簿の開鎖

記帳義務のある者は、次のような場合に帳簿を閉鎖しなければなりません。
・毎年3月31日(1年ごと)
・許可の取消しの日、届出使用者等の業の廃止、死亡、解散または分割の日
・使用もしくは販売、賃貸もしくは廃棄の業の廃上の日
・死亡、解散もしくは事業の分割(事業承継がなかった場合)の日

帳簿の保存

帳簿は閉鎖後5年間保存しなければなりません。
ただし、廃棄物埋設を行う許可廃棄業者については、「許可届出使用者に関する記載項目」の①から④の項目と、⑤の項目のうち廃棄物埋設地に係る部分は、それぞれ廃棄の業を廃止するまでの期間および事業所などから搬出された後5年間保存します。

帳簿の記載項目

帳簿には、許可届出使用者や、届出販売業者および届出賃貸業者、許可廃棄業者、廃棄物埋設を行う許可廃棄業者に応じて、各項目の記載が必要です。

許可届出使用者に関する記載項目

【受入れ、払出し】
①受入れまたは払出しに係る放射性同位元素などの種類および数量
②放射性同位元素などの受入れ、払出しの年月日と相手方の氏名または名称

【使用】
③使用(詰替えを除く)に係る放射性同位元素の種類および数量
④使用に係る放射線発生装置の種類
⑤放射性同位元素、放射線発生装置の使用の年月日、目的、方法および場所
⑥放射性同位元素または放射線発生装置の使用に従事する者の氏名
【保管】
⑦貯蔵施設における保管に係る放射性同位元素および放射化物保管設備における保管に係る放射化物の種類および数量
⑧貯蔵施設における放射性同位元素および放射化物保管設備における放射化物の保管の期間、方法および場所
⑨貯蔵施設における放射性同位元素および放射化物保管設備における放射化物の保管に従事する者の氏名
【運搬】
⑩工場または事業所の外における放射性同位元素などの運搬の年月日、方法および荷受人または荷送人の氏名または名称ならびに運搬に従事する者の氏名または運搬の委託先の氏名もしくは名称
【廃棄】
⑪廃棄に係る放射性同位元素などの種類および数量
⑫放射性同位元素などの廃棄の年月日、方法および場所
⑬放射性同位元素などの廃棄に従事する者の氏名
⑭放射性同位元素等を海洋投棄する場合であって放射性同位元素等を容器に封入し、または容器に固型化したときは、当該容器の数量および比重ならびに封入し、または固型化した方法
【施設の点検】
⑮放射線施設(届出使用者が密封された放射性同位元素の使用または密封された放射性同位元素もしくは放射性同位元素によって汚染されたものの廃棄をする場合にあっては管理区域)の点検の実施年月日、点検の結果およびこれに伴う措置の内容ならびに点検を行つた者の氏名
【教育訓練】
⑯放射線施設に立ち入る者に対する教育および訓練の実施年月日、項目ならびに当該教育および訓練を受けた者の氏名
【その他】
⑰管理区域でないものとみなされる区域に立ち入った者の氏名

届出販売業者および届出賃貸業者に関する記載項目

【議受け、販売、譲渡、賃貸】
①譲受け(回収および賃借を含む)または販売その他譲渡(返還を含む)もしくは賃貸に係る放射性同位元素の種類および数量
②放射性同位元素の譲受けまたは販売その他譲渡もしくは賃貸の年月日およびその相手方の氏名または名称
【運搬】
③放射性同位元素または放射性同位元素によって汚染されたものの運搬の年月日、方法および荷受人または荷送人の氏名または名称ならびに運搬に従事する者の氏名または運搬の委託先の氏名もしくは名称
【保管】
④保管を委託した放射性同位元素の種類および数量
⑤放射性同位元素の保管の委託の年月日、期間および委託先の氏名または名称
【廃棄】
⑥廃棄を委託した放射性同位元素または放射性同位元素によって汚染されたものの種類および数量
⑦放射性同位元素または放射性同位元素によって汚染されたものの廃棄の委託の年月日および委託先の氏名または名称

許可廃棄業者(廃棄物埋設を行う者を除く)に関する記載項目

【受入れ、払出し】
①受入れまたは払出しに係る放射性同位元素などの種類および数量
②放射性同位元素などの受入れまたは払出しの年月日およびその相手方の氏名または名称
【保管】
③保管に係る放射性同位元素などの種類および数量
④放射性同位元素などの保管の期間、方法および場所
⑤放射性同位元素などの保管に従事する者の氏名
【運搬】
⑥廃棄事業所の外における放射性同位元素などの運搬の年月日、方法および荷受人または荷送人の氏名または名称ならびに運搬に従事する者の氏名または運搬の委託先の氏名もしくは名称
【その他】
⑦「許可届出使用者に関する記載項目」の①から⑩までに掲げる事項

合併と使用の廃止

合併の場合の地位承継

合併の場合の地位承継には、次のような規定があります。
許可使用者が合併する場合、使用者の地位を承継するための条件は、次のように規定されています。
届出使用者などにも同様の規定があります。

許可使用者である法人の合併の場合(許可使用者である法人と許可使用者でない法人とが合併する場合において、許可使用者である法人が存続するときを除く。)又は分割の場合(当該許可に係るすべての放射性同位元素又は
放射線発生装置及び放射性汚染物並びに使用施設等を一体として承継させる場合に限る。)において、当該合併又は分割について原子力規制委員会の認可を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該放射性同位元素若しくは放射線発生装置及び放射性汚染物並びに使用施設等を一体として承継した法人は、許可使用者の地位を承継する。(法 第二十六条の二-1)

使用の廃止の届け出

次のような場合には、遅滞なく、許可証および廃止措置計画を添えて、廃上の届け出を原子力規制委員会に提出しなければなりません。
①許可届出使用者(表示付認証機器届出使用者を含む)がその許可または届け出に係る放射性同位元素や放射線発生装置のすべての使用を廃止したとき。
②届出販売業者や届出賃貸業者、許可廃棄業者がその業を廃止したとき

許可の取消しや使用の廃止などに伴う措置など

許可を取り消された、もしくは使用の廃止を報告した許可使用者などは、次に示す放射性同位元素の譲渡、放射性同位元素等による汚染の除去、放射性汚染物の廃棄その他の措置を講じなければなりません。
①所有する放射性同位元素は輸出する、許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者もしくは許可廃棄業者に譲り渡す、または廃棄する。
②借り受けている放射性同位元素は輸出する、または許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者もしくは許可廃棄業者に返還する。
③放射性同位元素による汚染を除去する。ただし、廃止措置に係る事業所などを許可使用者または許可廃棄業者に譲り渡す場合には不要(すべての放射性同位元素等や放射線施設などを一体として譲り渡す場合)。
④廃棄物埋設地の管理の終了に係る措置では、埋設した埋設廃棄物による放射線障害のおそれがないようにするために必要な措置を講じる。
⑤放射性汚染物を許可使用者か許可廃棄業者に譲り渡す、または廃棄する。
⑥汚染の除去の前と後に場所の測定を行い、この測定結果を記録する。
⑦帳簿を備え、次に掲げる事項を記載する(以下略)。
⑧廃止措置中は廃上の日または死亡、解散もしくは分割の日の許可取消使用者などの区分に応じた放射線取扱主任者免状を有する者、または同等以上の知識および経験を有する者に措置の監督をさせる。
⑨廃止措置は、廃止措置計画の計画期間内にしなければならない。
なお、届出販売業者または届出賃貸業者は⑥と⑨が、表示付認証機器届出使用者は⑥から⑨が除かれます。

廃止措置計画

許可取消使用者などは、廃上の措置を講じるとき、あらかじめ次に掲げる事項について定めた廃止措置計画を、原子力規制委員会に届け出なければなりません。
届け出た廃止措置計画を変更する場合は、あらかじめ変更後の廃止措置計画を添えて届け出なければなりません。
①放射性同位元素の輸出、譲渡、返還または廃棄の方法
②放射性同位元素による汚染の除去の方法
③放射性汚染物の譲渡または廃棄の方法
④汚染の広がりの防止その他の放射線障害の防止に関し、講じる措置
⑤計画期間

廃止措置終了の報告

許可取消使用者などは、廃止措置が終了したとき、遅滞なく、その旨およびその講じた措置の内容(2項目前の①、③、⑤、⑦の措置の内容)を原子力規制委員会に報告しなければなりません。
①放射性同位元素を輸出~→措置を講じたことを証明する書面
③放射性同位元素による汚染を除去~→措置を講じたことを証明する書面
⑤放射性汚染物を許可使用者か~→講じたことを証明する書面
⑦帳簿を備え、次に掲げる事項を記載~→帳簿の提出

譲り渡し・譲り受け、所持および取扱いの制限

譲渡しと譲受け

放射性同位元素は、次のいずれかに該当する場合以外は、譲渡し、譲受け、貸付け、または借受けをしてはいけません。
【許可使用者】
許可証に記載された種類の放射性同位元素を輸出する、他の許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲渡しや貸し付ける、または許可証に記載された貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で譲受けや借り受ける。
【届出使用者】
届け出た種類の放射性同位元素を輸出する、他の許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲渡しや貸し付ける、または届け出た貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で譲受けや借り受ける。
【届出販売業者、届出賃貸業者】
その届け出た種類の放射性同位元素を輸出する、または許可届出使用者や他の届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲渡し、貸付け、譲受け、借り受ける。
【許可廃棄業者】
許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、他の許可廃棄業者に譲渡しや貸付け、またはその許可証に記載された廃棄物貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で譲受けや借り受ける。
【許可を取り消された許可使用者または許可廃棄業者】
その許可を取り消された日に所有していた放射性同位元素を輸出する、または許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲り渡す。
【放射性同位元素の使用や販売、賃貸、廃棄の業を廃止した日】
それぞれ廃止した日に所有していた放射性同位元素を輸出する、または許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲り渡す。
【事業者の死亡または法人の解散】
許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者が死亡する、または法人が解散、もしくは分割をした日に所有していた放射性同位元素を輸出する、または許可届出使用者や届出販売業者、届出賃貸業者、許可廃棄業者に譲り渡す

所持の制限

放射性同位元素は、次に該当する場合以外では、所持してはいけません。
①許可使用者が、その許可証に記載された種類の放射性同位元素を、その許可証に記載された貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で所持する。
②届出使用者が、その届け出た種類の放射性同位元素を、その届け出た貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で所持する。
③届出販売業者または届出賃貸業者が、その届け出た種類の放射性同位元素を運搬のために所持する。
①許可廃棄業者が、その許可証に記載された廃棄物貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で所持する。
⑤表示付認証機器などを、認証条件に従った使用、保管または運搬をする。
⑥許可を取り消された許可使用者または許可廃棄業者が、その許可を取り消された日に所持していた放射性同位元素を所持する。
⑦放射性同位元素の使用または廃棄の業を廃止した日に所持していた放射性同位元素を所持する(30日間)。
⑧放射性同位元素の販売または賃貸の業を廃止した日に所有していた放射性同位元素を運搬のために所持する。
⑨許可届出使用者や許可廃棄業者が死亡する、または法人が解散、もしくは分割をした日に所持していた放射性同位元素を所持する(30日間)。
⑩届出販売業者や届出賃貸業者が死亡する、または法人が解散、もしくは分割をした日に所有していた放射性同位元素を運搬のために所持する(30日間)。
⑪運搬を委託された者が、その委託された放射性同位元素を所持する。
⑫従業者が職務上放射性同位元素を所持する。

取扱いの制限

18歳未満の者、および心身の障害で放射線障害防止の措置を行えない者は、放射性同位元素または放射性汚染物の取扱い、放射線発生装置の使用ができません

事故届、危険時の措置、濃度確認

警察官などへの届け出

放射性同位元素の盗難や事故は、警察官などに届け出るよう定められています。

許可届出使用者等(表示付認証機器使用者及び表示付認証機器使用者から運搬を委託された者を含む)は、その所持する放射性同位元素について盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を警察官又は海上保安官に届け出なければならない。(法 第三十二条)

危険時の措置

【許可届出使用者などが行う措置】
所持する放射性同位元素、放射線発生装置や放射性汚染物が、放射線障害のおそれがある場合または放射線障害が発生した場合は、直ちに原子力規制委員会規則の定めにより応急の措置を講じなければなりません。
【発見者が行う措置】
この事態の発見者は、直ちに警察官または海上保安官に通報しなければなりません

危険時の応急措置

次の場合には、許可届出使用者などは応急の措置を講じなければなりません。
①放射線施設や放射性輸送物で火災が起こる、または延焼するおそれがある場合、消火や延焼の防止に努めるとともに直ちにその旨を消防署に通報する。
②放射線障害を防止する必要があるときは、放射線施設の内部にいる者や、放射性輸送物の運搬に従事する者、付近にいる者に避難するよう警告する。
③放射線障害を受けた者または受けたおそれがある者がいる場合は、速やかに救出し、避難させるなどの緊急の措置を講じる。
④放射性同位元素による汚染が生じた場合には、速やかに広がりの防止および除去を行う。
⑤放射性同位元素等を他の場所に移す余裕がある場合には、必要に応じて安全な場所に移す。
また、その場所の周囲には縄を張り、標識などを設け、かつ見張人をつけることで、関係者以外の立入りを禁止する。
⑥その他放射線障害を防止するために必要な措置を講じる。

緊急作業

緊急作業を行う場合、遮へい具やかん子、保護具を用いる、放射線に被ばくする時間を短くするなどにより、緊急作業に従事する者の線量をできる限り少なくします。
なお、緊急作業に係る線量限度は、実効線量で100mSv、眼の水晶体と皮膚の等価線量でそれぞれ300mSv、1Svです。

原子力規制委員会への届け出

許可使用者などは、次の事項を原子力規制委員会に届け出なければなりません。
①緊急の事態が生じた日時および場所ならびに原因
②発生し、または発生するおそれがある放射線障害の状況
③講じた、または講じようとしている応急の措置の内容

濃度確認

許可届出使用者などは、放射性汚染物に含まれる同位元素の放射能濃度が規則で定める基準を超えていないか、原子力規制委員会または原子力規制委員会の登録を受けた者(登録濃度確認機関)に濃度確認を受けることができます。
濃度確認を受けた物は、放射性汚染物でない物として取り扱うものとします。
【濃度確認に必要な書類】
濃度確認を受けようとする者は、濃度確認を受けようとする物に含まれる放射線を放出する同位元素の放射能濃度の測定および評価を行い、結果を記載した申請書その他の書類を登録濃度確認機関に提出しなければなりません。
①放射能濃度の測定および評価に係る施設に関すること
②放射能濃度確認対象物の発生状況、材質、汚染の状況と推定量に関すること
③評価単位に関すること
④評価対象放射性物質の選択に関すること
⑤放射能濃度を決定する方法に関すること
⑥放射線測定装置の選択および測定条件の設定に関すること
⑦放射能濃度の測定および評価のための品質保証に関すること

放射線取扱主任者と報告徴収

放射線取扱主任者

放射線取扱主任者の選任

事業者は、規定の区分により、第1種から第3種の免状を有する者の中から放射線取扱主任者を選任しなければなりません。
なお、第1種と第2種の主任者は、それぞれの放射線取扱主任者試験に合格後、主任者講習を修了して初めて免状を取得できます。

密封されていない放射性同位元素使用者:1種
放射線発生装置使用者:1種
特定許可使用者:1種
上記を除く許可使用者:1種、2種
届出使用者:3種
届出販売業者:3種
届出賃貸業:3種

次のような場合は、医師または歯科医師、薬剤師を放射線取扱主任者として選任できます。
なお、表示付認証機器のみを認証条件に従って使用する場合は、放射線取扱主任者の選任は不要です。
①医師または歯科医師:放射性同位元素や放射線発生装置を診療のために用いるとき
②薬剤師:医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、または再生医療等製品の製造所

放射線取扱主任者の設置人数

放射線取扱主任者の設置人数は、以下のように定められています。

許可届出使用者:工場、事業所または廃棄事業所ごとに少なくとも1人
許可廃棄業者:工場、事業所または廃棄事業所ごとに少なくとも1人
届出販売業者:少なくとも1人
届出賃貸業者:少なくとも1人

放射線取扱主任者の選任の時期と届け出

放射線取扱主任者を選任または解任したときは、その日から30日以内に原子力規制委員会に届け出なければなりません。
選任は、放射性同位元素を使用施設若しくは貯蔵施設に運び入れ、放射線発生装置を使用施設に設置し、又は放射性同位元素の販売若しくは賃貸の業若しくは放射性同位元素等の廃棄の業を開始するまでにしなければならな
い。(則 第三十条)

放射線取扱主任者の義務など

放射線取扱主任者の義務は、次のように定められています。
・放射線取扱主任者は、誠実にその職務を遂行しなければならない。
・使用施設、廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設又は廃棄施設に立ち入る者は、放射線取扱主任者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は放射線障害予防規程の実施を確保するためにする指示に従わなければ
ならない。
・許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者及び許可廃棄業者は、放射線障害の防止に関し、放射線取扱主任者の意見を尊重しなければならない。(法 第三十六条)

定期講習

定期講習の意義

定期講習の意義は、次のように規定されています。

許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者及び許可廃棄業者のうち原子力規制委員会規則で定めるものは、放射線取扱主任者に、原子力規制委員会規則で定める期間ごとに、原子力規制委員会の登録を受けた者(以下「登録定期講習機関」という。)が行う放射線取扱主任者の資質の向上を図るための講習(以下「登録放射線取扱主任者定期講習」という。)を受けさせなければならない。(法 第三十六条の二)

放射線取扱主任者は、放射線業務従事者や一般公衆などに対して放射線障害が起こらないように、放射性同位元素などの取扱いについて監督を行っています。
この放射線障害の防止の要となる選任された放射線取扱主任者の力量の維持および向上を図るために、定期講習を受けます。

定期講習の受講対象者

定期講習の対象者は、許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者および許可廃棄業者の放射線取扱主任者です。

定期講習の時期

放射線取扱主任者に選任された日から1年以内に「放射性同位元素等の規制に関する法律」に基づく原子力規制委員会の登録を受けた登録定期講習機関が行う定期講習を受けなければなりません。
ただし、選任前1年以内に定期講習を受けた場合は不要です。
また選任後、前回の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から3年以内(届出販売業者および届出賃貸業者は5年以内)に受ける必要があります。

放射線取扱主任者の代理者

放射線取扱主任者が旅行や疾病その他の事故により、その職務を行うことができない場合には、その職務を行うことができない期間中、放射性同位元素もしくは放射線発生装置を使用、または放射性同位元素もしくは放射性汚染物を廃棄しようとするときは、放射線取扱主任者の代理者を選任しなければなりません。
この場合、代理者の資格は放射線取扱主任者と同じです。
また、代理者を選任または解任したときは、選任または解任した日から30日以内に原子力規制委員会に届け出なければなりません。
ただし、職務を行うことができない期間が30日に満たないときは、届け出をする必要はありません。

報告徴収

原子力規制委員会、国土交通大臣または都道府県公安委員会は、表示付認証機器届出使用者を含む許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者もしくは許可廃棄業者またはこれらの者から運搬を委託された者に対し、原子力規制委員会規則、国土交通省令または内閣府令で定める項目の報告をさせることができます。

報告の提出時期と項目

各事業者は、その事業形態ごとに、次に示す内容を原子力規制委員会に報告しなければなりません。
①許可届出使用者または許可廃棄業者
放射線施設を廃上したときは、放射性同位元素による汚染の除去その他の講じた措置を、30日以内に報告します。
②許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者または許可廃棄業者
毎年4月1日からその翌年の3月31日までの期間の報告書を作成し、当該期間の経過後3月以内に提出します。
③許可届出使用者、表示付認証機器届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者もしくは許可廃棄業者
原子力規制委員会より、次に掲げる事項について、期間を定めて報告を求められたときは、当該事項を当該期間内に報告します。
・放射線管理および特定放射性同位元素の防護の状況
・放射性同位元素の在庫およびその増減の状況
・工場または事業所の外で行われる放射性同位元素などの廃棄または運搬の状況