ペット保険は必要? 不必要?

2023年10月14日

Pocket

今日はこのテーマについて少しお話をしたいと思います。

おそらく、「ペット保険は必要か?」というキーワードで検索すると、似たような記事がたくさんあると思います。

注意したいのは、「ペット保険の宣伝をしているかどうか」です。

記事やページの中で、しっかりと特定のペット保険を勧めている場合、完全な宣伝のための、ちょうちん記事です。

多いのは、ペット保険会社のページだと思いますが、代理店などや、広告案件のところが主と思います。

露骨なヨイショは避け、一見するとデメリットも記載してたりしますが、最終的にはそういった結論に誘導しています。

まあ、あまりにも褒めちぎったり不安を煽ると、読者も引きますからね・・・当然の表現方法です。

利害関係者の意見を聞いても意味がありません。

中立・公平で、客観的な視点から意見を述べてなどいないのですから、信用など微塵もできません。

その点に注意して、参考にしましょう!

 

ペット保険って必要?

さっそく結論!

ペット保険は、原則として不要!入る必要などないっ!

 ただし、、、

 損得抜きで、安心感を得たいなら加入もあり!

 かなり特殊だけど、ごくまれに得する場合があり、該当するなら検討しよう。

   ・高齢で加入可能な保険があり、得する可能性があるなら入るべき

   ・すでに動物病院に通っていて、今後も通院する可能性が高い場合は入るべき

 

そもそもペット保険って?

 ペット保険は、ペットが動物病院に受診したときにかかる獣医療費を、保障割合に応じて保険会社が支払ってくれるものです。

つまり、ペットが動物病院にかからないと全く保険金は支払われないのが普通です。

大事なのは、ほとんどの保険が、健康診断など、「健康な動物に対する費用は補償対象外」にしているということ!

あくまでも、「病気やケガ」に対しての「治療費」だけが保険金支払い対象なのです。

もうおわかりですね?

ようは、支払った保険料以上に、受け取る保険金が多いときに、あなたは金銭的に得をした!という状況になります。

 

保険会社は儲かってるの?

 保険会社って儲かっているのか?について、ちょっと述べたいと思います。

企業として営利活動を行なっているからには、当然ながら利益というものが出ています。

なので、皆さんから受け取った保険料と支払った保険金では、当然に保険金の方が少ないです。

さらに事業費として、保険会社の従業員に対する給与やその他諸々でお金は出ていきますので、、、、

その分のお金は皆さんの保険料から賄われています。

 じゃあ、ボロもうけなのか?っていうと、それも違います。

詳しくは説明を省きますが、、、「あまり儲けちゃいけませんよ」という規制があるので、暴利を取るような設定はできません。

現実的には、どこのペット保険会社(少額短期も含む)も、それなりに利益を出すのに苦労はしてるみたいです。

つまり! ペット保険会社がぼったくっているというわけではないということは事実ですね。

最終的に残った利益で考えると、実はペット保険会社もさして利益が出ていないか、赤字の場合もあるのです。

 

ペット保険に加入することで、どのくらい損得があるのか?

 みなさんがペット保険に加入して、支払う保険料、受け取る保険金、個々で違うのは当然としても、どのくらいなのでしょう?

本来は数字のエビデンスを提示すべきですが、ざっくりと損害率50~60%というのが業界平均って感じです。

数字の根拠は、「ペット保険 損害率」とかで調べれば出て来ます。

また、各保険会社がディスクロージャーとして、決算を公開してますので、そちらをご参照ください。

この損害率ってのは、Loss Ratio/ロス・レシオと呼ばれます。

損害保険における皆さんが払う保険料に対して、支払った保険金の割合のことです。

保険金(Loss)を保険料(Premium)で割ることにより計算されます。

これが、60%ということは、皆さんが保険料を10,000円払っても、実際に受け取る保険金は6,000円ということです。

言い換えると、4,000円は損をした!ということになります。

 *保険金以外にも、安心感や、付加サービス(保険会社からの情報、相談サービス、プレゼントなど)はありますので、保険金だけで一括りにはできません。

 

ペット保険加入による、単純な数字上の損益分岐点

 ここまで読んで頂ければ、どのくらいから損得が切り替わるのかわかりますね?

そう!

大雑把に考えて、支払う保険料と同額の保険金を受け取らないと、およそ半分はお金を失うことになります。

ギャンブルと同列に考えることはできませんが、還元率で比較するとどのくらいかが分かります。

宝くじ 45.7 %

競艇  74.8 %

競輪  75.0%

オートレース 74.8 %

競馬 74.1%

サッカーくじ49.6%

ペット保険 50~60%

そう考えると、かなり割に合わないお買い物ですね。

 

保険の意義

色んな保険があり、それぞれ趣旨も違うと思います。

ただ、個人的には、「万が一のときの保障」というのは必要だと思います。

例えば、わたしは趣味でバイク(ドラッグスター1100)に乗るのですが、バイク保険には入っています。

これは、バイクで事故を起こしたとき、下手すると数千万円の損害賠償・慰謝料等が発生する可能性があり、、、

わたしには支払い不可能だからです。

起こる確率が低い・・・しかし、起きてしまった場合のリスクは甚大!

そういったときに保険というのは最大限威力を発揮すると考えています。

数学的には、1/10で発生、10円の損害と、1/100,000,000で発生、1億円の損害は期待値が同じです。

しかし、保険加入意義は大きく異なると思うんですよね。

 

ペットの治療費など

ペットの治療費は高いときもあるけど、支払えないほどではないよね」ということです。

人間の場合は、労働者が入院すると収入がなくなる場合があります。

しかし、動物は100%扶養!

くっ!うらやましいっ!

そう考えたときに、収入減少の心配はいりません。

治療費はもちろん安くはありませんが、かといって1億円とか払えないような金額でもないです。

そして、よく考えてください。

損害率50%ですよ?

最悪、支払えない場合は、消費者金融で借金して、年利14%で利息を払ったとしても、その方が総支払額は低いというのが現実です。

*1年くらいで返済する前提だし、なにより借りることを推奨は決してしません。

貯金して備えておきましょう!

毎月1,000円保険料を払うくらいなら、最低でも毎月500円の積み立て貯金です。

 

ペット保険の利益の仕組み

 最後に、ペット保険の利益の仕組みをお話しします。

会社である以上は、利益を出さねばならず、保険金よりも保険料が高いということはご説明通りです。

ここで注意をしなければいけないのは、「高齢であるほど損害率は高い」ということです。

損害率は、払った保険料に対する保険金の割合ですから、損害率が高いということは皆さんは割が良いということになります。

高齢になるほど、病気のリスクは高まり、治療費は増大傾向にあります。

つまり、支払われる保険金も高くなるのです。

かといって、保険料も高くなるのか?というと、たしかに高くはなるのですが、実はそこまで高くはなっていません。

一見すると、高齢であればあるほど保険料は上がっているので、違和感を感じるかも知れません。

ですが、「払われる保険金ほどは保険料は高くない」という状況になります。

高齢期に単独で回収しようとすると、「保険料が高くなりすぎて設定できない!」のです。

これに対しての施策は単純です。

1~7歳(あるいは10歳)までの比較的病気にならない年齢のときに利益を出して、高齢期は赤字を覚悟する、というものです。

ビジネスモデルとしては、そうなっちゃいますよね・・・

同じ一年間だけ加入するにしても、若齢のときの1年と、高齢のときの1年だと、損害率の違いから、高齢のときの加入の方がお得!ということです。

もっともお得な時期だけ加入する方が良いに決まってます。

 

あらためて結論!

ペット保険は、原則として不要! 入る必要などないっ!

 ①損得抜きで、安心感を得たいなら加入もあり!

 ②損得を考えよう!

   1.高齢で加入可能な保険があり、得する可能性があるなら入るべき

   2.すでに動物病院に通っていて、今後も通院する可能性が高い場合は入るべき

ちゃんと最初から最後までコラムを読んでくださったあなた!

あなたですよ!

それぞれの項目について、もう解説は不要ですよね?

あらためて、下記施策をオススメ致します。

ペット医療費は自分で積立貯金をしましょう!

  *目安となる金額は、ペット保険の保険料の金額(最大でその半額までは削減可能ですが、同額を推奨)

7~10歳になったら、ペット保険に加入を検討しよう!

  *年齢制限のある保険が多いので、加入できるペット保険はピックアップしておくべし。

  *もちろん、加入しないで貯金で対応がベスト。

病気になってしまった、なりそうというときは、ペット保険の加入を検討しよう!

  *健康状態によっては加入できない場合もあるので、加入できるペット保険はピックアップしておくべし。

コラム

Posted by 樹 琴葉